1:大殿筋の働きとスクワットの効果・難点
おしりの部分の外から見える最も大きい筋肉である大殿筋(→股関節のしくみ)の主な働きは股関節伸展動作、つまり脚を後方に引く動きです。
スクワットでは立ち上がる時にその股関節伸展動作に大きく負荷がかかる
ためおしりの筋トレには最大の効果があるのです。しかし同時に脚の筋力が弱いと十分股関節に的確に効かせられないという難点もあります。
では脚に負荷をできるだけかけずに股関節伸展動作だけに負荷をかける筋トレはないか、スポーツクラブ等ならヒップマシンというものがありますが、フリーウエイトや自宅ならやはりヒップリフト、がベストでと思います。では実際にヒップリフトをやってみよう!
2:実践!ヒップリフト
バーベル等ウエイトを使う場合は股関節、つまり脚のつけねの上に乗せます。上半身がベンチからずれないように安定させるのがポイント。足は地面から膝までが垂直になるようにポジションをとるのがおしりに効かすコツです。
- 膝を伸ばすほど股関節伸展が強調され大殿筋と太もも裏のハムストリングスが働きやすくなる
- ただし膝を伸ばしすぎて足の位置が股関節から遠くなるほど股関節の稼動域が小さくなってしまうので注意
- 逆に膝を曲げすぎると大腿四頭筋を使ってしまう
のでおしりに効くポジションを見つけよう。
また、足は揃えるよりもやや開いた方が大殿筋に効きやすい。「おしりを締める」ような意識で持ち上げよう。
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3:ヒップリフトの注意点
上のように、おしりを持ち上げた時に背中が丸まった状態になってしまっているのは、
大殿筋よりも腹筋を強く使ってしまっている
結果です。スクワットでは同様背中が丸まらないように体幹をフラットに維持しますが、ヒップリフトの場合はおしりを突き出すくらい意識した方が大殿筋に効きます。 胸をはり、とにかく
おしりを使う、おしりで持ち上げる
事を徹底しよう!
- ★体幹を丸めて腹筋を使わないようにする!
- ★胸をはる
- ★おしりを締める!
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4:何回やればおしりを大きくできるか
おしりを大きく盛り上げるということは、大殿筋を筋肥大させるということです。筋肥大させる筋トレ方法の基本は
- 10回から15回くらいが限界の負荷で限界まで × 3〜4セット
- セット間のインターバルは1分以内
のようなメニューでやってみよう。おしりをパツンパツンにパンプアップさせよう。
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5:その他のおしり筋トレ
バックレッグレイズ
ヒップリフトより簡単でどこでも手軽にできるのがこのバックレッグレイズです。体幹が曲がらないように一直線に維持し股関節だけが動くようにするのがポイントです。やはりおしりをしっかり締めるような意識でおしりでもちあげよう。持ち上げる時に勢い良く膝を伸ばさないように注意しよう。
おしりで持ち上げたら自然に膝も伸びた、
ような状態が理想ですが、どうしても、前太もも力が入ってしまう場合は膝を曲げたままもちあげてもよいです。
- おしりを使って5秒くらいかけてゆっく持ち上げる
- おしりに効かして5秒くらいかけてゆっく下げる
ようにやってみよう。
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股関節をスムーズに動かして、おしりの大殿筋を働かすには体幹の強さ・安定性も必要になる。さらに体幹を安定させるには股関節筋にの柔軟性と肩甲骨・肩周辺の柔軟性も必要だ。このバックレッグレイズはそれらを向上する体幹トレーニングのメニューとしても行うと良い。
→体幹トレーニングについてくわしく!
ヒップアブダクション
このヒップアブダクションも、ヒップリフトより簡単でどこでも手軽にできる。ポイントは、脚を横へ持ち上げる際、体幹を脚といっしょにもちあげないこと。体幹・体全体ができるだけ横に傾かないように。あくまで
股関節だけを動かす
のが殿筋群に効かすポイントです。脚の重さだけでもかなり効きます。
リバースバックエクステンション
バックレッグレイズを両脚で行うのがこのリバースバックエクステンションですが、背筋のページで紹介しているように脊柱起立筋の筋トレメニューでもあります。膝を伸ばして行うのでハムストリングスにも効きます。
ルーマニアンデッドリフト
こちらのルーマニアンデッドリフトもデッドリフトのページで解説しているように基本的に脊柱起立筋メニューですが、リバースバックエクステンションと同様やはりハムストリングスにも効きます。
しかし股関節伸展は、大殿筋とハムストリングスが強調して働くのでヒップリフトが難しい!バッククレッグレイズでは楽すぎる!という場合はこちらのリバースバックエクステンションやルーマニアンデッドリフトの方がとりくみやすくてスクワットよりもおしりを意識しやすいのではないかと思います。
股関節には大殿筋の下にさらに中殿筋と小殿筋がありそれぞれ独自の働きがある。スクワットやヒップレイズでも中殿筋と小殿筋が大殿筋を補助して働いているが、これらをさらにピンポイント(アイソレート)できたえればおしりのさらなる盛り上がりが期待できるかも?!
→中殿筋・小殿筋の筋トレ方法はこちら!
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結び
どうだったかな?最もありがちなのはやはり腹筋や脚の力でもちあげてしまうこと。このヒップリフトに限らず「ねらった筋肉を使って効かす」のはすべての筋トレメニューにおいて共通の基本です。ヒップリフトでは「とにかくおしり」です。
では次は逆にその脚の方をきたえる筋トレをやってみよう。まずは太ももの前、疲れたら一番やばいあの部分、大腿四頭筋から!