1:基本フォーム
スクワットは何も意識せずに行なえば、普通に前ももの大腿四頭筋に効きます。なのでいかに
裏もものハムストリングスと大殿筋「ハムケツ」に効かすか
がフォーム作りの最重要課題です。
1:骨盤を前傾
「おしりを突き出す」もしくは椅子に腰掛けるように意識。肩甲骨をよせて胸を張り背中が丸まらないよう、体幹を真っ直ぐに維持します。
2:膝の前後の動きを小さく
大腿四頭筋の稼働率が小さくなり股関節の稼働率が上がり
ます。その結果、
おしりの大殿筋と太もも後のハムストリングスへの負荷が高める
スクワット7つ効果と総合講座のページでも出て来たように、
つま先が膝より前に出ても構いません。膝の前後運動が少なければよいのです。
それについてさらに詳しく解説!
2:膝と重心
膝を無理につま先より後方へ引こうとすると、重心がかかとに乗ってしまう。
これは前足部(→右)に体重が乗らず競技選手にとってはマイナス効果。どうしても後ろに重心が傾いてしまう場合はかかとの下に板や本を挟んでみよう。
そこで下のイラストのように鼠蹊部(股関節)に手の小指側を当ててしゃがんでみよう。
骨盤と太もも付け根で手をしっかりと挟み込む
ことができれば膝の位置、骨盤、重心位置など正しいスクワットのフォームがほぼできている状態です。
次はスクワットでよくある疑問「どれくらいしゃがむと効果的なのか」について!
3:下ろす高さ別スクワットの種類と負荷の変化
スクワットはしゃがみこむ高さによって負荷と使われるメインの筋肉が変化します。目的によって主に以下の三種類のスクワットがあります。
1:基本・普通のパラレルスクワット
スクワットの基本中の基本。まずはこのパラレルから始めよう。
- 太もも(大腿)が床と並行かちょっと手前くらいになるまで下ろす
- 大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋などバランスよく鍛えられる
2:おしりに効かすならハーフスクワット(クオータースクワット)
- 膝角度浅め90〜100度くらい
→大腿四頭筋への負荷が低くより股関節・大殿筋・おしりともも裏のハムストリングスに効く - バーベルスクワットの場合、高重量が上がる
- プライオメトリクス的なトレーニングとして高速で上下させることもある(→プライオメトリクストレーニング)
3:前ももに効かすならフルスクワット
- パラレルスクワットよりさらに深くしゃがみ込む
→その結果膝角度が深くなり、もも前の大腿四頭筋への負荷が増大する - 上下動も長くなり心肺への負荷も高まり超ハード
このように下げるレベルで負荷、そしてどの筋肉により負荷がかかるかが変化しますが、あくまで
トレーニングの目的による変化
でなければなりません。股関節重視か、大腿四頭筋重視か、プライオメトリクスやスピードトレーニングか。スクワットの場合下げれば下げるほど確かに「キツい」感じにはなります。しかしそのキツさというのは
心肺的なキツさ=心拍数が急上昇するキツさ
であって、筋肉トレーニングとして的確であるとは限りません。
そしてさらに"高さの変化"だけがスクワットの種類ではありません。次は「足幅」によるスクワットの変化ついて。
4:足の向きと足幅による効果の変化
足幅は、肩幅か足一つ分くらい広めぐらいか基本ですが、骨盤がうまく前傾できない場合は広めの方が股関節を意識しやすい。短距離・中長距離など「走り」の強化には腰幅ぐらいでハーフスクワットもよい。
そして足幅に関わらず、下のアニメイラストのように
足と膝・ももの方向が常に一致
するようにしよう。足と膝の方向がズレたままスクワットを続けると膝を痛める事もあります(→膝のねじれと怪我について)。
次はスクワットをもっとレベルアップするための体幹の使い方と呼吸方法について解説しよう!
5:呼吸方法と体幹
基本呼吸法
- 息を大きく吸い込みながらゆっくりと腰を下ろし
- 最もボトムまでしゃがみこんだタイミングで大きく息を吸い込み息を止めたまま大殿筋(大臀筋)とハムストリングスを強く意識していっきに立ち上がる。
- 上がりきったところで息を吐く。
この時体幹をゆるめないように注意
そこにさらに次のような体幹、腹筋を意識した呼吸法を加えます。
体幹を使ったスクワット呼吸法
立ち上がる瞬間、鼻から一気に息を吸い
胸を張りながらながらお腹をぐっと引っ込める
ように意識してみよう。動作中腹筋の緊張を維持します。
これによって腹直筋の両側にある横向きに筋線維が走っている腹横筋といういわばベルトやコルセットのような役目をはたしている筋肉が収縮して
し、腰の故障を防ぎます(→スクワットと腰・体幹)。同時に脊柱起立筋など背筋群も同時に働き、まさに大胸筋以外の多くの筋肉が働く"スクワット=キングオブトレーニング"となるのダ!!
▼こちらも!
次は回数やセット数などについて。
6:回数とセット数・負荷設定方法
「屈伸スクワット毎日何百回!」では本当に力強い下半身、強い体幹は作れません。スクワットに限らず筋トレには正しい回数設定・負荷設定の方法があります。まずは初心者向けに
- 15回が限界!と言う負荷で1セット限界回数 × 2から3セット
- セット間インターバル90秒
でやってみよう。「え?15回でいいの?」ではなく
15回しかできない限界の負荷
ということです。部活屈伸で50回連続できた人も、「正確な股関節スクワット」で、行うと20回もできない人もいると思います。
そういう場合はバーベルもダンベルも重りは必要ありません。20回どころか10回もできないよ、という人は、パラレルではなく浅めのハーフスクワットでやってみよう。
ぎりぎり15から20回できる深さ
に下ろす深さを調節すればよいです。部活屈伸で何十回!もできるのは、たんに負荷が軽すぎるだけです。軽い負荷で回数をたくさんこなすやり方は、
ただ楽な事を数こなしているにすぎない
のです。
逆に正確な股関節スクワットでも、30回でも40回でも余裕でできてしまう!という人は
- リュックなど荷物を背負う
- ダンベルなど重りをかつぐ→ダンベルスクワットをくわしく
- ジャンプする→ジャンプスクワットをくわしく
- 片脚スクワット→片脚スクワットをくわしく
- バーベルを買う→バーベルスクワットをくわしく
などの方法で負荷を高める事もできます。
▼こちらも!
結び
スクワット物語はどうだったかな?スクワットはあらゆる運動の基礎となる動作でありトレーニングです。正確なスクワットをしっかり理解・クスターしてフィジカルレベルを一段階アップしよう!
では次は「スクワットはつま先より前に膝出しちゃダメなんでしょ。ダメ。」と言う方のために絶対膝がつま先より前に出ないスクワットをやってみよう。