1:パワーポジションとは
簡単に、一言で、たんてきに、言うとパワーポジションとは
最も力を発揮しやすい姿勢
- 肩幅よりやや広めに立ち両足の向きを平行に
- 両膝角度は120度くらい
- 前足部からつま先の上くらいに膝の位置
- 背筋を真っ直ぐに前方を見る
だいたいこんな感じです。では「最も力を発揮しやすい」姿勢とはどういうことか。
サッカーでも野球でも、なぜパワーポジションをとるかと言うと、
静止した状態から素速く反応し即動き出せる、力を発揮できる
ために決まってます。逆に言うと、静止した状態から素速く反応し即動き出せる姿勢ならなんでもいい、とも言えます。例えば格闘技のパワーポジションとも言える「構え」は、ボクシング、空手、ムエタイ、相撲、柔道、どれもそれぞれ独自の構えがあります。しかしどれも「静止した状態から素速く反応し即動き出せる」構えを目指していることには違いはありません。つまり
パワーポジションはこれだ!という明確な定義はない
のです。ここまでの体幹トレーニング解説で体幹トレーニングとは「力を伝える」ための安定した体幹を作るためのトレーニングだと解説してきましたが、まさに
力を伝える安定した体幹 = パワーポジション
と言えます。言い換えれば
パワーポジションを維持し続けるためのトレーニングが体幹トレーニング
とも言えると思います。
この体幹のしくみをふまえて先ほどの「基本のパワーポジション」を改めて見直してみよう。
2:パワーポジションの作り方
安定した体幹を作る
骨盤を前傾し股関節から肩まで体幹を一直線にし、視線は前方に。ただしあまりおしりを突き出すようにするのではなく背中全体をフラットにする。
→骨盤と大腰筋
膝の位置と重心
膝の位置は特に決める必要はなく、
どこに重心が乗るか
を重視してください。しっかり足の真ん中から前足部の位置、もしくは前足部よりに重心を乗せよう。先述したようにパワーポジションとは即動き出すためのポジションです。スクワットと同様
「膝がつま先より前に出ない」を徹底するために重心がかかと寄りに乗ってしまえば、素速いクイックな動き出しはできない
のです。
股関節・膝の角度と足幅
先述したように「素速い動きだしをする」ことができることがパワーポジションの最重要ポイントです。
競技特性や自分のポジションに合うパワーポジション
を作ろう。例えば大雑把ですが、サッカーやバレーボールなら腰が高め、野球なら外野手は高めで内野手とランナーは低め、でしょうか。アメリカンフットボールもポジションで違いますね。テニスは中間くらい、バスケなら・・・・などなど個人の体格差も考慮する必要があります。足幅も様々です。さらに同じ競技内でも場面によって高めの方がベスト、逆に低めがベスト、というふうに
力の発揮レベルがその時の状況や局面で変化→パワーポジションも変化
させる必要があります。
最も素速い動きだしをすることができる自分だけのパワーポジション
これにつきます。
ここまでの解説で、筋曜日のみなさんならもうお気づきだと思います。
3:スクワットとパワーポジション
そう、パワーポジション = スクワットです!体幹の作り方はスクワットそのものです。スクワットの基本ページで解説しているとおり、スクワットにも目的によって高さに変化をつけます。膝の位置についての考え方も同じです。正しいスクワットは体幹トレーニング、そしてパワーポジションのトレーニングにもなるのです!
スクワットはここまで奥が深い?!スクワットの基本と理論を徹底解説
「屈伸100回!」「ヒンズースクワット1000回!」とかやっていないか?! コラーっ!スクワットを正確できなければ効果的なパワーポジションもとれない。正しいスクワットをマスターして競技力や身体能力をレベルアップしよう!
→スクワットの基本と理論をくわしく!
▼こちらも!
しかし競技や運動では、スクワットのように定位置でじっとしているわけではありません。動いて、移動してなおパワーポジションを崩さず維持し続ける必要があります。特にバスケやサッカーなどそういう場面が多いのではないでしょうか。そんな身体能力を向上するトレーニングをやってみよう。
4:パワーポジションからの体幹トレーニング
その場ジャンプ
- まずパワーポジションをとってください。高さは適当でかまいません。その場でジャンプするのでそれに対応したパワーポジションをとるとよいです。
- その場でジャンプ!そんなに高く飛び上がる必要はありません。
- パワーポジションで着地
さて、着地した今のその状態・姿勢です。正しいパワーポジションをとれていますか?右のように骨盤が後傾して体幹がくずれていませんか?
立ち幅跳び
その場から、立ち幅跳びをしてみよう。思いっきり距離を跳ぶのではなくやはり着地で正確にパワーポジションがとれているかどうか。
ゴー & ストップ
パワーポジションから5から10メートルほど軽くダッシュしてストップ。ストップした時、正しいパワーポジションがとれているか。
その他サイドステップなど、自分競技ならではの動き・移動をしてパワーポジションで正確に静止できるかやってみよう。さらに連続してゴー & ストップを繰り返してみよう。どんな動きであっても
パワーポジションがとれていない = 力の伝わる体幹が崩れている
そしてパワーポジションを意識してさらに片脚スクワットなど動的安定体幹トレーニングを改めてやってみよう!
ただ適当に立ち幅跳びをしていないか?跳び方にももちろん「やり方」がある!パワーポジションやスクワットとも関連の深い立ち幅跳び、そしてジャンプの正しい方法を理解して最強の"バネ"を手に入れよう!!
→立ち幅跳び・スクワットジャンプなどジャンプトレーニングについてくわしく
▼こちらも!
しかしパワーポジションがどうしてもくずれてしまう!という場合の原因は何か、を考えてみよう。
5:体幹がくずれる原因
体幹トレーニングの基本理論から学んできたみなさんならもうおわかりですね!パワーポジション、あるいはどのような場面においても、力が伝わる安定した体幹が維持できず崩れてしまうのはほとんどが
股関節が使えてない
ということです。繰り返して言うとおり、体幹トレーニングとは腹筋をきたえることではなく股関節をきたえることです。シットアップやクランチのような体幹を丸める腹筋トレーニングは骨盤を後傾させる動作なので、腹直筋が強すぎて大腰筋との筋力バランスが崩れて骨盤、そして体幹が安定しなくなる、と言う可能性もあります。まずはウオーミングアップから股関節周辺のトレーニングをしっかりと継続しよう。
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結び
「これがパワーポジションだ!」とくっきり明確な定義や形を求めるのではなく、「力の伝わる体幹と動き」について追求してみよう。スピードトレーニングもようするにこの「パワーポジションと体幹」のトレーニングだということも体得できたのではないだろうか。
しかし「力の伝わる体幹」を維持するのは簡単ではありません。動きのスピードが上がり激しくなるほど体幹は崩れやすくなってきます。そんな時必要な体幹トレーニングが次のテーマだ!用意はいいかい?コアらくん!?「コアっ」