1:力を伝える体幹 = ダイナミックコアスタビリティとは
前ページのパワーポジションや体幹トレーニング基本解説のページ他、
体幹トレーニングとは力を伝える体幹を作る
ということを繰り返し解説してきました。力を伝える体幹とは右のイラストのように体幹が瞬間的に板のようになった状態です。グニャグニャ体幹では力は伝わりません。
でも何かをパンチしたりぶつかったりするわけではない時、走ったりとんだりする時は関係ないんじゃないか?・・・いやいや、では「力を伝える体幹 = ダイナミックコアスタビリティ」についてさらにくわしくみていこう。いいかいコアらくん!「コアっ」
2:体幹パワーとは地面反力だ!
走る、跳ぶ、その他地面と接するあらゆる動作は、重力との闘いです。重力に対してどれだけ強く、速く反発できるかがより大きな筋力、スピード、そしてパワーにつながります。その重力に逆らって地面を押した、もしくは蹴った時に
地面から得られる力 = 地面反力をどれだけムダにせず効率よく体を動かす力にできるか
例えば右のようにジャンプした瞬間、あるいは着地の瞬間、体幹にかかる衝撃に体幹が耐えられず、下のイラストのように
骨盤が後傾
して体幹がグニャッとなると、地面から得られた地面反力が逃げてしまい、体幹が安定しているジャンプのように頭をまっすぐ効率よく持ち上げる事ができず、高さも上がらずスピードも上がりません。
この「体幹のグニャっ」は上下だけではなく前後にも起こります。
動きの中でグニャらない体幹を瞬間的に維持するすること = ダイナミックコアスタビリティ
です。
ではこのダイナミックコアスタビリティがどのようなものかを確かめる実験してみよう。
3:ダイナミックコアスタビリティ効果とは
次のような「体幹実験」をやってみよう。
- 硬い木など棒の上にボールを乗せ
- 上に真っ直ぐ持ち上げてボールを上に飛ばす。
同じことを木のような硬い素材ではなく、スポンジなどしなる素材の棒でやってみよう。どちらがボールを真上に真っ直ぐ高く飛ばせるでしょうか?・・・・実験なんてやるまでもないですね。木の棒=体幹が地面反力を「効率よく、強く、速く」ボールに伝えたのです。
体幹が「しなる」事が常にNGというわけではない。投球動作やバレーボール、テニスなど「しなり」を使う場面はいろいろある。あくまで「地面からの力を伝える」動きにおける体幹の使いたいである。
→しなりの体幹トレーニング
では棒ではなく自分の体幹を使ってやってみよう。「力を伝える体幹 = ダイナミックコアスタビリティ」トレーニングの実践方法!!
4:力を伝える体幹実践トレーニング方法
オーバーヘッドスクワット
バーベル、もしくはダンベル、イスとかなんでもかまいません。頭上になんでもいいから持ち上げてオーバーヘッドスクワットをやってみよう。ワイドスタンスの方がなりやすいです。「力の伝わる体幹」を見るためのスクワットなので軽い負荷でよいです。誰かに合図してもらったり、刺激に反応して立ち上がろう。体幹にかかる衝撃に体幹が打ち勝ち体幹がグニャラズに、骨盤を後傾させず体幹をまっすぐ維持して
真っ直ぐ、ブレもなく、高速でウエイトを上げられるか
がポイントです。安定した体幹を維持できるようになったら
20RMくらいの負荷で体幹の安定を維持できなくなるギリギリ一歩手前くらいまで反復 × インターバル30秒以内で2〜3セット
やってみよう。例えばサッカーならダイナミックコアスタビリティを90分間最後まで維持するための体幹持久力のトレーニングです。限界でも体幹がグニャラズにウエイトを上げられるか?!
※骨盤が後傾してしまうのはたんに腰の筋肉弱いから、というわけではない。確かに股関節の背中側の筋肉の柔軟性に問題があると後傾しやすくなるが、骨盤のコントロールには大腰筋など股関節周辺の前側の筋肉や腹筋、広背筋なども関係している。それらをバランスよく働かすためにスクワット動作を正しくトレーニングするのは体幹トレーニングとして基本です。
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メディシンボールトス
メディシンボールを前方や上方にトスしてみよう。片手、両手、どちらも試してみるとよい。上方トスは、ハーフスクワットの体勢から一気に爆発力で立ち上がりトス!
上方トスはまさにさっきの棒の実験だ。腕を深く曲げずできるだけ伸ばした状態でやってみよう。
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では逆に着地の時の「ダイナミックコアスタビリティ」とは?
5:"着地力"を強くする体幹トレーニングと股関節
体幹が着地を変える?
前ページのパワーポジションで着地時に体幹がくずれやすいということについて解説しました。また動的安定体幹トレーニングやスピードアップのための体幹と静止のトレーニングでも着地時の安定性の重要性にについて解説しています。
ではそれはなぜでしょうか?例えばプライオメトリクストレーニングとしての連続スクワットジャンプや連続立ち幅跳びで、着地の時のダイナミックコアスタビリティがくずれていたらどうなるでしょうか。
くずれても連続ジャンプはできると思います。しかし前項で解説した「力の伝わる体幹」が崩れた状態からでは素く効率の良いジャンブや走り、切り返しができなことは前項ですでに見ていますよね。つまり
着地時こそ「力の伝わる体幹 = ダイナミックコアスタビリティ」を確実に決めなければならない
のです。
では確実に力の伝わる体幹で着地するためのトレーニングをやってみよう。
スクワット for ダイナミックコアスタビリティ
バーベルかダンベルを担いでスクワット。スクワットが体幹強化トレーニングであることはスクワット実践講座他で繰り返し解説しています。
スクワットで「力を伝える体幹強化トレーニング」としての効果を高めるには、下しをゆっくりではなくスムーズにおろして立ち上がりの切り返しを速くします。切り返し強化のスクワットジャンプのようなプライオメトリクスに近いトレーニングになりますが、ダイナミックコアスタビリティ強化トレーニングとしては、
20RMくらいの負荷で体幹の安定を維持できなくなるギリギリ一歩手前くらいまで反復 × インターバル30秒以内で2〜3セット
やってみよう。できるだけ高速で反復し限界でも体幹がグニャラズに正確なフォームで正しいスクワットを反復できるか?!
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股関節体幹コントロール for ダイナミックコアスタビリティ
シングルレッグデッドリフト
パワーポジションのページで着地で体幹が崩れる最も注意すべき原因が股関節であると解説しています。その場合の股関節を重点的にきたえるトレーニングメニューが右のような「シングルレッグデッドリフト」です。
軽めのダンベルかバーベル、もしくは何も持たなくてもかまいません。片脚でスティフレッグドデッドリフト(膝を伸ばすデッドリフト)をしますが膝は完全に伸ばす(ロックアウト)のではなく軽く曲げます。
体幹を一直線に維持
し、左右に傾かないように股関節周辺筋の大殿筋他殿筋群、ハムストリングスで体幹を持ち上げます。
★股関節を安定してコントロールできるようになったらさらにこのシングルデッドリフトをバランスディスクに乗ってやってみよう。
→バランスディスクの選び方
バックエクステンション
シングルデッドリフトが難しい場合は、バックエクステンションで「股関節で体幹をコントロールする」感覚を確認してみよう。必ず背中が丸まらないように「股関節を支点」にするように注意する。
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★各種メディシンボール★
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結び
どうだったかな?「ダイナミックコアスタビリティ」とトレーニング方法の解説だったが、体幹を構成するここの筋肉「体幹筋」が弱くても"体幹力"は強くならない。なので次は「個々体幹筋」を強化する筋トレを紹介しよう。用意はいいかい?コアらくん!?「コアっ」