1:伸びのある空手の突きとは
前ページで「肩甲骨や肩を出して伸びる突き」は不可能だという事実が判明しました。肩甲骨も肩も出ないのです。しかしまちがいなく"伸びる突き"はあります。ではどうやって打つのか?
それは・・・・・・・「股関節と体幹を使って突く」のです!!
体幹については「体幹とは何か?」のページで学びました。じゃあ股関節とは?
そこで右のアニメを見てください。これは正面突きをしている時のイメージです。黄色の部分が胴体、つまり体幹です。赤い支点は肩関節。そして青い支点が股関節です。二本の腕と胴体をつなぐのが肩関節、二本の脚と胴体をつなぐのが股関節です。基本的に体はこの四つの支点によってコントロールされます。よく「腰を入れろ」と言われますが、体幹とは何か?のページであるとおり腰をねじってしまうと体幹の安定を保てません。そうです。「腰を入れる」とは2つの股関節を軸に体幹を回転させることなのです。さらに肩関節の部分を見てください。言うまでもなく前に突き出してはいません。そして下右のアニメを見てください。
突きが大きく伸びてます。もちろん肩や肩甲骨は動いてません。股関節の動きをさらに大きくした結果、前ページの順突きのように正面突きの体勢であるにもかかわらずググーっと突きが伸びてきました。体幹もねじれたり傾いたりしていません。これが「股関節と体幹を使った突き」です。順突きでも逆突きでも体の使い方は同じです。
→胸椎と腰椎-体幹回旋系ウオーミングアップについて
2:股関節と体幹を使って順突きを打ってみよう
もはや言うまでもありませんね。上の左は股関節をあまり使わず体幹の動きも小さい突き、肩甲骨を外転させ肩を無理に突き出して=肩をすぼめた状態の突きです。上右が股関節を使って体幹から大きく体重移動させた突きで肩甲骨は内転した状態になっています。そして右のアニメは両者の比較です。突きの伸びにこれだけ差が出ると同時に、肩を突き出した方は体幹がゆがんでしまっています。これではスピードもパワーも伝わりません。また体幹がゆがんだりねじれたりすることにより腰を痛めてしまうかもしれません。股関節を使った方は体幹がガッチリと安定し、後ろ足から発生した力がしっかり前拳まで伝わっています(→拳にパワーを伝える体幹)。