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四股突き肩甲骨のしくみ - 突きと肩甲骨の稼働域3

さて、藤田君は"肩甲骨の稼働域を広げると突きが伸びる"という話を完全否定した

ようです。結論から言いましょう。肩甲骨の稼働域を広げても突きは伸びません。もし伸びたらその人は宇宙人だと思います。というより稼働域を物理的に広げる事はできないのです。そもそも肩甲骨がどのようなしくみになっていてどのように動くのか理解できていますか?ではアニメとイラストを使って肩甲骨周辺のしくみから解説していきましょう。これが理解できれば肩甲骨をどうとかしても突きは伸びない事が一瞬で分かるでしょう。

1:肩を出す?肩甲骨の稼働域とは

肩甲骨の内転外転前肩甲骨の内転外転

「肩を出す」

上のアニメの肩甲骨を目一杯外転させた状態が目一杯肩を出した状態です。言い換えるとこの動作は「肩をすぼめた」状態でもあります。

「肩甲骨の稼働域」と順突き

上から見た肩甲骨の内転外転

肩甲骨動かしこれは上から見た肩甲骨の稼働域です。肩甲骨を目一杯内転させた状態から目一杯外転させた状態までの肩甲骨の動作範囲のことです。内転した状態は言い換えると「胸を張った状態」です。つまり「肩甲骨の稼働域を広げる」とはこの動作範囲を広げるということですが、このとおり肩甲骨というのは、鎖骨と胸骨の接続点を中心に円運動をするだけで横方向にスライドしたりはしません。骨格の動きを変える事はロボット手術でもしない限り変える事はできません。しかし周辺の筋肉の柔軟性がない状態では動きは小さくなりますからウオーミングアップでしっかり肩甲骨を動かす動作が大事です。そこでさらに下のイラストを見てください。

上から見た順突き上から見た順突きの肩甲骨と腕の状態

これはいわゆる"肩甲骨の稼働域を広げた伸びのある順突き"を打った時の腕と肩甲骨の状態を上から見たものです。突きを出している時の肩甲骨は内転した状態なのです。つまり"肩は出ていない"のです。この体勢で肩を出す、つまり肩甲骨を外転させるとどうなるかというのが上右です。これでいいんですか?よくないですよね。だから誰もやってません。肩を出してるといくら言っても出てはいないのです!

では肩関節の水平屈曲・伸展なぜこうなるかというと、肩の稼働域はだいたい170度くらいですが筋肉や体脂肪などで実質もっとせまくなります。試しに思いっきり肩甲骨を外転、つまり肩を限界まですぼめた状態で肩甲骨が動かないようにガッチリ押さえた状態で、腕を水平伸展(→右)させてみてください。右のように後方まで水平伸展できる方は宇宙人です。

2:肩を突き出した状態で突きが打てるか

お腹が浮き上げるダンベルベンチプレスじゃあ正面突きなら肩を出して打てるか?打つだけならできるでしょう。しかし前ページでベンチプレスに挑戦した主将木下君の肩はどうなったでしょうか。ベンチプレスの基本フォームは肩甲骨を内転させ胸を張り、ベンチに肩甲骨を押し付け動かしません。腕立て伏せでも同様です。そうしないと重量を支えられないからです。肩を突き出すと肩甲骨が不安定になり体幹のバランスが崩れ、そのまま重量を上げると木下君のように肩をぶっこわします。しかししっかり肩甲骨を内転させて固定すると体幹が安定し、大胸筋を使えた正確なベンチプレスとなります。

さらにお腹をひっこめることにより腹横筋が働きより体幹が安定します。藤田君はこれらの肩甲骨の機能解剖と体幹を使ったベンチプレスを十分に熟知しているのでしょう。くりかえします。肩甲骨は横にスライドしません

じゃあ肩が出ない状態で伸びのある突きを出すにはどうするのか?

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タグ : 肩・肩甲骨・僧帽筋 コア・体幹


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