1:拳立て伏せで拳を鍛える?
「まず拳をきたえる」とはどういうことでしょうか。拳ダコってありますよね。野球でバットで素振りなどをしたり、ウエイトトレーニングでダンベルやバーベルなど堅い物を握り続けていると、手の内側にマメやタコができます。ワタクシは絵を描く仕事もするので右の中指の内側にペンダコもできます。つまり強い圧力や衝撃が加わる箇所に皮膚を守るためタコやマメができるわけです。ところが問題は、「拳立て伏せで拳にかかる衝撃」と「加速された拳が物体に当たった瞬間に拳にかかる衝撃」はぜんぜん違うということです。拳立て伏せではたんに床を押し続けているにすぎません。はたしてただ押し続けるだけで「加速された拳が物体に当たった瞬間に拳にかかる衝撃」に耐えられる拳に鍛えられるのかワタクシは疑問です。
2:拳立て伏せで手首を鍛える?
という事は当然「拳立て伏せで手首にかかる衝撃」と「加速された拳が物体に当たった瞬間に手首にかかる衝撃」も違ってきますが、ところで「手首にかかる衝撃」とはなんぞや?ミットやサンドバッグ、あるいは相手のボディーを突いた瞬間手首がぐにゃって曲がってへたしたら手首を痛めた、なんて経験のある方は多いと思います。それではぐにゃっとならない時はどのように手首がまっすぐに支えられているかと言うと、それは前腕の筋肉が働いているからです。前腕には右のように、手首を伸展させる筋肉が前腕の手甲側に、屈曲させる筋肉が手のひら側にあり、この両方の筋肉が同時に働いた瞬間に手首がまっすぐ立ちます。ところが硬い床の上でやる拳立て伏せではこれらの前腕の筋肉はほとんど働いてくれません。拳立て伏せや通常の腕立て伏せで前腕が筋肉痛になることはまずないと思います。
3:拳立て伏せで突きの威力をきたえる?
筋トレとしての効果は、長時間の四股立ちやスクワット100回と同様、筋力の向上や筋肉を太くする、そして強い筋力発揮を繰り返す事が可能な筋持久力の向上には少ない回数しかできないトレーニングを行わないと効果が得られない、つまり拳立て伏せが10回くらいがやっとだという初心者は筋力向上がみこめますが、30回以上こなせるようになってしまうともはやトレーニングとしての効果はほとんどないと言って良いです。毎日やるなんてそれこそ筋トレ的には無意味です。同じ理屈で巻きわら突きや拳立て伏せで何十回、何100回できても、重いサンドバッグ全力突きを同じ回数できることはまずないです。
では藤田君のやっていたこのトレーニング
はどんな効果があるのか見てみよう!