1:握力強化の筋肉は指ではなく前腕!
力こぶなど二の腕、上腕の筋トレはよくやりますが、前腕のトレーニングはわりと軽視しがちです。しかし実は前腕の筋肉というのは手で握るための筋肉、握力筋なのです。
物を手で掴んだり握ったりするとき、指の筋肉ももちろん使いますが、大きな筋力を発揮して主要な役割をするのは前腕の筋肉群なのです。
握力が強くなれば、ダンベルやバーベルを握りつづける持久力も向上
し、フリーウエイトトレーニングのレベルアップにも効果的です。
ロッククライミングや球技、格闘技など、「握る」競技の選手は欠かせないトレーニング
なはずです。なのでぜひやっておこう!
ではまず前腕の筋肉のうち手首側、握力の筋肉と筋トレ解説です!
2:前腕手首側の筋肉と働き
- 手首の伸展
- 手首の屈曲
に働く筋肉であると同時に、細く長い筋肉が何本もあり、指まで長く腱が伸びている筋肉まであります。つまり手首だけではなく
指の伸展・屈曲
にも働く筋肉です。
- 指の伸展 = 手を開く
- 指の屈曲 = 手を握る
動作です。さらにこれらの筋肉は
- 指の伸展 = 手を開く → 手の甲側
- 指の屈曲 = 手を握る → 手のひら側
に分けて考えることができます。この指を「屈曲させる手のひら側」つまり握る筋肉の前腕筋が握力を発揮します。
ではまずその「握力筋」手のひら側の筋肉のトレーニング「リストカール」をやってみよう。
3:握力強化筋トレリストカール
手のひら側の筋肉の働きは
- 手首だけを屈曲させる筋肉
- 指の屈曲(握る)と手首の屈曲の両方に働く筋肉
この働きをする筋肉は主に6本あり、手首側と言ってもその内4つは
上腕骨から肘関節と手関節(手首)をまたぐ二関節筋
です。
そして指を屈曲させるということは、「握る」動作を行う筋肉という事です。つまりこの
手のひら側の筋肉を強化する事で握力を強くすることができる
のです。そしてこの筋肉を鍛える筋トレは右のようなリストカールです。
ただしリストカールは上記の「手首の屈曲」だけを行っているのでやはりこれだけでは握力強化には不十分です。下のようなハンドグリップなどを使って「指を屈曲させる働き」もトレーニングするとよい。両方やって握力を徹底強化しよう。
- ★15から20回が限界という負荷で2セット
- ★セット間のインターバルは3分以内
- ★2、3日に1回
※初級者レベルのセット。もっと詳しい負荷設定と計画の立て方はこちら
※インターバルとは?
★各種ハンドグリップ★
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次は握るのとは逆の「指を伸展する」甲側の筋トレ「リバースリストカール」をやってみよう。
4:指を伸ばす力筋トレリバースリストカール
手の甲側の筋肉の働きは
- 手首だけを伸展させる筋肉
- 指の伸展(指を伸ばす)と手首の伸展の両方に働く筋肉
この働きをする筋肉は主に9本あり、その内5つは
上腕骨から肘関節と手関節(手首)をまたぐ二関節筋
です。指を伸ばす動作にこれらの前腕筋を使うのですが、こんなのあんまり関係ないやん・・・と思ってしまった筋曜日の肉のみなさんはいないと思います。大事ですよね。特に球技の選手、バスケットボールとかハンドボールとかベースボールとか、
指を伸ばす筋力、筋持久力が弱いとすばやく手を開いてボールをつかむことができない
でしょ。ロッククライミングもただ握力を強化すればいいのではなく、やはり握る前の「手を開く、指を伸ばす」動作が重要です。ゲーム中、何度も手を握ったり開いたりを頻繁に繰り返すので、やはり伸ばす方の筋肉の筋力、筋持久力は重要です。
この手の甲側、手首を伸展させる筋肉の筋トレは、上のリストカールを手の甲を上にしてやるリバースリストカールをやります。
しかし「指を伸展(伸ばす)させる筋肉」の鍛え方は・・・・?誰か教えてください。
右のリストローラーは、握りながら手首の伸展・屈曲を繰り返す動作なので、効率的に前腕のトレーニングができる。
では次はそれら以外の前腕筋群について。
5:手首側前腕筋のその他の働き
手のひら側の屈筋も甲側の伸筋も、手首側と言っても半分以上の筋肉が上腕骨から肘をまたいで手までつながる長い二関節筋でした。
上腕から肘をまたぐ二関節筋、ということは、肘の屈曲・伸展、つまり肘の曲げ伸ばしにも前腕の筋肉が働いているということです。
また、肘を曲げている状態の時に、手首の回内・回外にもこれらの筋肉は働きます。ちなみに肘を伸ばしている時の手首の回内には上腕二頭筋が働きます。
→上腕二頭筋の働き
しかし肘を曲げる前腕屈筋の主役は手首側の筋肉ではありません。では主役は誰か?!次はその主役筋である前腕の"肘側"の筋肉の解説と筋トレをやってみよう。
6:腕とう骨筋とハンマーカール
腕相撲で強く働くのはなんといっても上腕二頭筋の二の腕力こぶ!的なイメージがありますがしかし!よく考えてください。腕相撲の時、手を縦にしていませんか?この時上腕二頭筋だけではなく、
腕とう骨筋という前腕の肘側の筋肉
が強く働くのです。これが肘の屈曲に働く前腕筋の主役です。
腕とう骨筋は、右のように前腕から上腕に肘関節をまたぐ単関節筋です。この筋肉は手首を縦にした状態で腕を屈曲する時に強く働ので、手首を縦にしたアームカール = ハンマーカールで鍛えることができます。
最後に「前腕の筋トレで手首を太くする事はできるのか?という疑問について考えてみよう。
7:前腕の筋トレで手首を太くする?
ここまで見てきたとおり、手首の周辺と言うのは前腕の筋肉の手や指までつながる長い腱が通っているだけで、あっても細く小さい筋肉しかありません。太くなるのは腱ではなく筋肉なので、筋肉が少ないということは結局「太くならない」ということです。
つまり手首が太い人は骨が太い人だと言えます。
しかし前腕の筋肉全体が太く発達すれば手首もふくめて全体的には太くはなってきます。ちなみに親指をコントロールする筋肉は、手首側の小さい筋肉で、この筋肉だけをトレーニングするのもなかなか困難です・・・。
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結び
前腕の筋肉は、各競技でも大切な動作でもある手の握りや指を開く働きをする重要な筋肉である、ということが納得いただけたでしょうか?
それにしても前腕筋群とは数も多く働きもいろいろあって、まさに「細くて小さいけど働き者」な筋肉くん達ですね。
では次はチンニング&ディップススタンドという器具を使ったその他の各種の腕の筋トレを紹介しよう!