Q1:筋トレなんかやったら体や筋肉が硬くなっちゃうんじゃないですか?
正しいフォームで正確に行なうウエイトトレーニングは、筋肉が硬くなるどころか関節稼働域を広げ筋肉の柔軟性をむしろ向上してくれます。「硬く」なるのは筋肉の疲労によって起るものですから、ストレッチなどのクールダウンをやらなければ、筋トレでなくても筋肉に疲労が蓄積して硬くなったような感じになるでしょう。
Q2:見せる筋肉じゃなくて、使える筋肉にする方法が知りたいんだよなぁ・・・
ボデイーピルダーのような筋肉でも、スポーツ選手の筋肉でも、実は筋トレの方法に違いはないのです!違いがあるとすればそれは「種目数」と「期間」です。スポーツ選手の場合は競技力を向上するために必要な種目だけを、必要な時期にやればいいのに対し、ボディービルでは全身の筋肉をあらゆる角度から刺激するために様々な種目をとりいれ、それを一年中何年も続けてみなさんの想像するような「見せる筋肉」を作り上げていくのです。ボディービルダーの動きがにぶそうに見えるのは重さと太さによるもので、決して筋肉自体が「使えない」のではありません。
※厳密には競技・ボディービルそれぞれの中でもトレーニング目的によって違いはありますが、基本的な動作や筋肥大、筋力の向上方法などに違いはありません。
Q3:休養日なしで毎日鍛えてもいい筋肉を教えてください
「毎日鍛えてもいい」とはどういうことでしょうか?どの筋肉であれ、筋肉トレーニングは目的を持って、計画的に、必要に応じて行うものです。ですから目的を達成するために「休養なしで毎日行う必要がある」のであればそのようなトレーニング計画・メニューをたて毎日行わなければなりませんが、毎日行う必要がなければやってはなりませんし、休養が必要であれば休養も含めたトレーニング計画をたてなければなりません。
Q4:速筋の鍛え方を教えてください
まず速筋と遅筋の違いを確認しておきましょう。
- 速筋
- 収縮速度が速く強い筋力を発揮する
- トレーニングによって太くなる
- 疲労しやすく持久性がない(無酸素系)
- 遅筋
- 強い筋力は発揮できない
- 速筋ほど太くはならない
- 持久性に優れている(有酸素系)
どんな運動でも速筋遅筋どちらかが一方だけが使われるという事はないので速筋だけ、あるいは遅筋だけを鍛える事は無理だしあまり意味もありませんが、通常のウエイトトレーニングを行えば速筋が強く刺激されよりトレーニングができます。また速筋は伸張性収縮時に特に強く働くので、高負荷で挙下げ動作をゆっくり下ろす事により伸張性収縮を強くは働かす事ができ、速筋をより鍛えることができると考えられています。→筋繊維解説についてもっと詳しく
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★サボると速筋繊維が増える?
ボディービルダーの筋肉は実は遅筋繊維がかなり発達していることが知られています。しかしやはり発達させたいのは速筋!筋繊維ごとのトレーニング方法はあるのか?
→コーチング・クリニック2012年11月号でくわしく報告されています
Q5:筋力アップと筋肥大どちらを先にしたらいいですか?
筋力というのは基本的に筋肉の断面積に比例します。だから筋肥大しなければ筋力もアップしません。しかし初心者の場合、筋トレを始めて一ヶ月くらいはどんどん筋力がアップしていきます。これは今まで使っていなかった筋線維が刺激され運動に参加するようになるためですが、次第に筋肉が慣れてきて筋力も上がらなくなってきます。
そこでさらにレベルアップするためには筋肥大が必要になってきます。
しかし筋肉が太くなっても数字上の重量が自動的に上がるようになるわけではなく、より高重量を上げるには高重量を使ったハードなトレーニング、例えば5RM以上の高重量をあつかうようなプログラムをこなして神経を刺激していかなければなりません。
これらのメニューを色々なパターンで繰り返すことにより筋肉は発達していくのです。
競技選手の場合は、本番に筋力が最もピークになるように逆算してトレーニング計画を立てよう。
Q6:マラソンなどの有酸素運動の後に筋トレをしても筋肥大はできますか?
もちろんできると思います。しかし筋肥大を優先もしくは最終目的ならば有酸素運動、ましてマラソン並みの高強度の有酸素トレーニングはまったく不要です。逆にマラソン選手の場合、必要以上に筋肥大させ体重を増やしてはレースに不利になる上に体にも負担をかけると思いますが、必要に応じた下半身の筋肉の増強は必要だと思います。有酸素運動、筋肉トレーニング、どんなトレーニングをするにしても、まず目的をはっきりさせましょう。何を目指すのか、何を強化したいのか。ただやみくもに「体きたえる!体力つける!だから走って筋トレじゃあ!!」みたいなショーワの国からは卒業しよう。
Q7:筋肉を発達させるには有酸素運動はしない方がいいんですか?
基本的にしない方がいいです。理由は
- 無酸素運動である筋トレと有酸素運動とではエネルギー代謝が違う
→エネルギー代謝とは? - 強度の大きい、あるいは長時間の有酸素運動は筋肉のタンパク質を分解してエネルギーにしてしまう
→糖質について - 有酸素運動でよく働く遅筋が発達し、筋力を発揮し太くなる速筋線維の性質が遅筋化してしまう
ただし絶対というわけでもなく、減量時などは、強度が低く脂肪を燃やしやすいウオーキングなどで体脂肪減量をはかるのも一つの方法です。
Q8:ガリで筋肉に変換する肉がないので筋トレしても筋肉はつかないのでしょうか?
筋肉以外の「にく」はありません。内臓も筋肉です。ですから筋肉ではない「肉」が筋肉に変換するなどありえませんし、筋トレをすれば新しく筋肉が「つく」わけでもありません。筋肉はつけるものではなく、もとからある筋肉をトレーニングで太くするのです。個人差はありますが、適切なトレーニング、適切な食事を続ければ誰でも筋肉を太くする事はできます。
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Q9:超回復させても筋肥大しません
超回復して筋肥大する条件として「筋肉中の糖質エネルギー(筋グリコーゲン)を消費し尽くして乳酸をしぼりだして筋肉をパンパンにする」「トレーニングで消費したエネルギー以上のカロリーを食事でとる」「休息」があります。また乳酸が多く生産されるほど成長ホルモンも多く分泌されると考えられています。筋肉が成長しない原因の多くは
- トレーニング強度が低く糖質エネルギーが消費されていない
- 食事量が足りない
の2点につきます。もう一度じっくり自分のトレーニング内容と食事内容を見直してみよう。
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Q10:昔レスリングをしていて筋肉があったんですがやめてから太ってしまいダイエットしたら以前よりも細くなってしまいました。もとの筋肉をもどすにはどうしたらいいですか?
以下の三つの可能性が考えられます。
- 体脂肪と一緒に筋肉量も落ちてしまった
- もともと筋肉が太かったわけではなかった
- 筋肉は太かったが運動をやめて筋肉に負荷がかかることが少なくなり細くなっていたが体脂肪が増え気づかなかった
いずれの場合でも「もとにもどす」のは無理ですが、トレーニングで筋肉を増強する事はできます。当サイトのページをじっくり読んでみてください。
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Q11:細くてそんなにマッチョではないのに力が強い人がいるのですがなぜですか?
筋肉を構成する筋繊維には大きく分けて強い力を発揮する「速筋繊維」と、持久性の高い「遅筋繊維」の2種に分けられます。細くて筋肉量が少ないにもかかわらず強い力やスピード・パワーに優れているのはこの速筋繊維の割合が生まれつき多くて発達していると考えられます。この二つの筋繊維の割合は生まれつきほぼ決まっていて変える事はできないと考えられていますが、適切なトレーニングで速筋繊維を発達させる事はできます。また、筋力は筋肉の断面積に比例しますが、実際に強い筋力を発揮するにはそのためのトレーニングも必要です。筋力が強くても動く速度が遅ければパワーも弱くなります。逆に細い筋肉でもトレーニングによって多くの速筋繊維を働かせ強い筋力やパワーを発揮させる事ができます。
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Q12:筋トレをした次の日に筋肉痛が残っているまま競技練習しても大丈夫ですか?
まったく何もしない完全休養よりも、軽く体を動かした方が回復が早い場合もあります。しかしあんまり動きが悪くなったり練習にさしつかえるような場合は、筋トレの次の日に競技練習を続けないように日程をうまく工夫する必要があります。できるだけ休息日の前日に筋トレ日を持ってくるようにしよう。また、筋トレは練習の最後にやろう。
Q13:筋肉痛がなければ毎日筋トレしてもいいんですか?
筋肉痛がないからと言って、筋肉が疲労していないとは限りません。逆に筋肉痛が残っていても調子がいい場合も時にはあります。筋肉痛はあくまで目安です。むしろ毎日できてしまうのはトレーニングの強度が弱かったと言えます。その見極めをするために、毎回のトレーニング内容をしっかり記録しておこう。
Q14:翌日以降の筋肉痛がなければ筋肥大しないんですか?
翌日以降に出るいわゆる遅発性筋肉痛が、筋肥大、筋力など筋肉の発達に絶対必要だ!というわけではなく、筋肉痛なしでも適切な量のトレーニングと食事を行えば筋肉は発達します。ただし「筋肉痛がでるくらいの」質の高いトレーニングは必要です。個人差もあり筋肉痛はあくまで目安と考えてください。一方、長く続けてなれてくるほど筋肉痛は出にくくなるのでつい「筋肉痛を出さなきゃ!」と思ってオーバートレーニングになってしまう事があります。ですからそういう時はトレーニングメニューを変えるなど変化をつけて新たな刺激を筋肉に与えていくようにしよう。また、初めてトレーニングをする人や、休息期間が開いて久々にトレーニングを再開する場合など、日常生活に支障をきたしてしまうほどの激しい筋肉痛が出やすくなるのでトレーニング強度に注意しよう。
Q15:筋肉痛がでない方法はないですか?
二種類の筋肉痛のうちトレーニング中と直後の筋肉が熱くなるようなパンプアップ(パンプアップとは?)による筋肉痛は、限界まで回数をやらなければ出ません。あるいは5RMぐらい以上の高重量を使った場合も、限界までやっても回数がこなせずパンプアップしないので筋肉痛は起こりません。
ではもう1つの翌日以降に出る筋肉痛は、伸張性収縮(伸張性収縮とは?)を繰り返した結果起こるとも考えられてるので、これを防ぐには、下ろす時に伸張性収縮が効かないようにできるだけスムーズに下ろすとよいです。ただしあまり高重量で早くストンと下ろすと危険なので、高重量を扱う場合はなるべく補助者を置いて注意してやろう。またこの方法は、筋力や瞬発力を強化するのに適しています。ただしこれでも筋肉痛は出てしまうことはあります。
Q16:例えば大胸筋が筋肉痛の時、腹筋とか背筋とか他の筋トレやランニングとかしてもいいですか?
ぜんぜんかまいません。むしろするべきです。例えば月曜日に大胸筋のトレーニング、火曜日は広背筋、水曜日は下半身、木曜日に大胸筋・・・というように全身をいくつかのパーツに分けて効率よく計画を立ててトレーニングをすすめる「分割法」というやり方があります。
Q17:筋トレのあとに、筋肉痛予防のためのアイシングは効果ありますか?
アイシングで筋肉痛を予防する事はできません。 ただし疲労が激しく筋肉の熱がなかなか冷めないような状況のときは、 冷水浴などで身体全体を冷やす事で回復をうながすことはできます。冷水浴でなくてもいいからスタティックストレッチなどでクールダウンはしっかりやろう。
Q18:筋トレはエアコンとか扇風機とかガンガンにかけてしても大丈夫なんですか?
筋トレに限らず運動は適切な温度、環境で行うのがベストです。必要ならクーラー、扇風機も使うべきです。気がついたらめまいがして倒れた・・・・ではおそいのです。もちろん冷しすぎでもダメだし、冬場なら温めすぎてもダメです。ただし競技試合当日の気温を想定したトレーニングは必要な場合もあります。
Q19:筋トレの後にサウナに入ってもいいですか?
サウナに入ると水分が失われ体が疲労します。だから筋トレをして疲労している状態でさらにさらにまた体に負担をかけるようなことはあまりおすすめできません。状況や季節によっては体の熱がなかなか冷めないような場合もあるのでむしろ冷水浴が適している場合もあります。
しかし気分的にどうしてもサウナに入る方がリラックスできるという人もいるのでべつにかまわないと思いますが、その場合は疲労状態をしっかり把握して負担にならない適度な時間にとどめておこう。また水分補給を前後に確実にやろう。特に前にはBCAAなどアミノ酸やエネルギー補給もできるようなドリンクを飲んでおこう。
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Q20:上半身をケガしている時に下半身の筋トレをしてもいいですか?
ケガの場所や程度にもよります。トレーニング中にケガが痛むとか負担がかかるとかであれば、やはり回復を優先してトレーニングは休もう。スクワットやデッドリフトなどは上半身にもかなり負荷がかかっています。逆の「下半身をケガしてる時に上半身をやってもよいか?」の場合も同様です。
→怪我中のトレーニング計画 - アスレチックリハビリテーションとは
Q21:文化系の部活の生徒でもできる筋トレメニューを教えてください
まずワタクシ個人的な考え方ではありますが、運動部とか文科系という分け方自体が無意味であると考えます。筋トレにしても運動にしても、いや特に筋トレに関して言えば、どこの筋肉を鍛えたいという目的があって初めてメニューが決まります。例えば野球や短距離の生徒がスピードを強化したいのでスクワットをする、サッカー部の生徒がキック力を強めるために腹筋や大腿直筋や大腰筋を鍛える、
演劇部の生徒が長時間の静止状態を維持するための筋持久力と体幹バランスの強化トレーニングをする、将棋部の生徒が長時間の正座に耐えるための脊柱起立筋や僧帽筋の筋持久力を強化する、水泳部の生徒が泳スピードアップのために広背筋や大胸筋を強化する、音楽部の生徒が肺活量を強化するため心肺トレーニングをしたり腹筋群を鍛える・・・・・あれ、いつのまにか運動部も文化部も区別がなくなってますね。
Q22:スジをきたえるトレーニング方法を教えてください
「スジをのばした」「スジをやっちゃった」とよく言われる事があります。が、この「スジ」というものは厳密には存在しません。筋肉内にあるのは筋(きん)、腱、血管、神経です。それから関節周りに靭帯が存在します。関節周辺で「スジをのばした」場合はおそらく靭帯か腱の損傷、関節からはなれた部分なら一部の筋繊維の肉離れや打撲等の損傷だと思います。「筋を痛めた」は「スジを痛めた」ではなく「きん」を痛めた、で、「きん」と言う場合は「筋肉」全体から腱の部分をのぞいた部分をさす事が多いです。筋、腱、靭帯、それぞれ構造も働きも違いますから筋曜日のみなさんは「スジ」などとは言わずきちんと区別しよう。ちなみに"牛スジ"のスジ肉は牛のアキレス腱やその他の腱付近の肉だそうです。
結び
ではここまで学んだ様々な知識を生かしてさらに効果的な筋トレをするにための長期的な計画づくりを学びましょう!