1:超回復とは!?
もう結論から言いましょう。上のこの図が超回復理論の全てです。
- 筋トレして疲労
- 筋肉痛があるうちは休息期間
- 休息期間中は食事で必要な栄養補給する
結果 → 前回のトレーニング時よりも
レベルアップして回復 = 超回復
一言で言うと、超回復理論の趣旨は「筋トレは毎日やるな!」ということです。筋トレに限らず何らかの激しいトレーニングや運動をして次の日まだ疲れが残っている。筋肉痛もひどい。なのに今日も頑張るぞ!! ということでまた同じ激しいトレーニング。次の日疲れてるけど頑張る。さらに疲れる・・・・・・
こんな毎日を繰り返しているといずれ体がボロボロになります。なんらかのスポーツ障害に悩まされるようになるかもしれません。上の超回復イメージなんか関係ねえっ、なんて言ってると、
疲労から回復していない状態で毎日のようにトレーニングを続ければ疲労がどんどん積み重なっていく
だけです。しかし超回復理論にもとづいてトレーニングすればそれを防ぐこともできるのです!
では超回復のための休息期間はどれくらいの期間が必要なのか、どれくらいの頻度で筋トレをすればいいのか、必要な栄養補給ってどんな食事をすればいいのか、などなど超回復の実践方法についてさらに詳しく解説しよう。
2:休息期間の目安と超回復の条件
超回復に必要な期間・時間、筋トレの頻度は?
ではどれくらいの休息期間を置けばうまく超回復してくれるのか? これは特にきまった時間と言うものはなく、筋トレの内容・強度などによって変化します。
強度が大きいトレーニングなら長め、軽めなら短め、ということになりますが、初級者など最初のころはだいたい一日おきを目安にし、じょじょに負荷を上げて行くにつれ2日おき、3日おきというふうに調節していけばよいです。つまり
強度が大きくなり休息・回復期間が長くなるほど、筋トレをする頻度は逆に少なくなっていく
ことになるのです。
超回復まで約48時間~72時間と聞きましたがどの時点から換算すればよいのですか?
筋肉の超回復を示す様子として下のような折れ線グラフをどこかで見たことがあるでしょうか。
ちなみにこのグラフは、持久系(有酸素)のトレーニングを2時間ほど行った後、消費された筋グリーコーゲン(筋肉内に貯蔵されている糖質エネルギー元)がどのように回復したかを、全食事内容のうち60%以上のカロリーを糖質で取った場合と40%以下の低糖質食の場合で比較した実験データです。
筋肉の回復は、トレーニングの強度、食事内容、筋肉の種類、そして個人の資質や生活状態によって左右されます。筋肉が24時間、48時間、72時間といったかたちできっちり疲労が回復したり、まして太くなったりするわけではありません。だから自分の体はどの程度、どんな状態で回復したり疲労が残ったりするのか、毎回きちっとトレーニング記録をつけよう。
※初級者の場合、負荷も軽くトレーニングレベルも低く筋肉を十分追い込めていないので、自分で思ったほどの疲労はあまりない。負荷が重くなってトレーニングレベルも上がってくると、筋肉を限界まで追い込めるようになり疲労度も高く、超回復にはより長い休息期間が必要となる。
逆に休息期間を長く置きすぎるとどうなるか
トレーニング → 休息 → 回復 →さらに休息 → トレーニング前よりもレベルが下がる(簡単に言うと衰えたということ)
つまり"逆超回復"ということになってしまいます(デイトレーニング、脱トレーニングとも言う)。超回復させる条件は
- ★回復時と次のトレーニング開始のタイミング
- ★うまく超回復のペースをつかむにはトレーニング記録をつける!
ということになります。休みすぎないよう的確なペースをつかもう。そのためには記録は必ずつけよう。
一週間空けても前回より記録が落ちていなければ、一週間に1回のトレーニングでもよい
のです。
※ただし持久力のトレーニングは一週間空けるとフィットネスレベルはだいたい落ちます。持久力トレーニングにはそのためのトレーニング強度と回復期間の計画が必要です。
→持久力のトレーニング計画の立て方
★筋トレの強度、回復レベルによって筋トレを行う頻度も変わる!
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3:筋肉痛と超回復・オーバートレーニングについて
筋肉痛とは
★筋肉痛が治るまで休んで回復させる!
筋肉は、無数の筋繊維という細長い繊維が束になってできています。いわゆる翌日以降に出る筋肉痛は、
その筋繊維がトレーニングによって傷付き疲労した状態からの回復過程で起る
のです。しかし筋肉痛がなくても筋肉が疲労していないと言うわけではなく、筋肉痛がないからと言ってむやみに筋トレの頻度を増やすと、超回復どころか次のようなピンチにおちいることがあります。
やりすぎ! オーバートレーニングとは
いつまで休息しても筋肉痛も疲労も回復できない、トレーニング効果も上がらない。これはトレーニング強度が強すぎて筋肉が肉離れに近いくらいのダメージを負っていることが原因で、超回復するどころか逆に長期間回復できない状態におちいってしまいます。
この状態をオーバートレーニングと言います。オーバートレーニングを引き起こさないように負荷重量や休息・回復設定は記録に基づいて慎重にやろう。
やみくもに重量を増やしたり回数やセット数、筋肉痛がないからといって休息期間を短くして頻度を増やす、ことはカッコいいことでもなんでもない
のです。自分のペースでトレーニングを継続する勇気を持とう。
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4:超回復に必要な食事方法と栄養補給
ただ休んでいても超回復するというわけではありません。疲労から回復し確実に超回復するには適切な食事・栄養補給が不可欠なのです。
★1日に体重1キロ当たり1.5から2グラムのタンパク質と、その3から4倍の糖質(炭水化物)を1日3食以上に分けてとる!
その他ビタミンやミネラルなどバランスのよい食事をしよう。食事をおろそかにすると絶対に超回復はしません。
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5:積極的休息(アクティブ・リカバリー)とは
十分休息期間もとった。食事もきちんとした。しかし・・・・ということももちろんあります。例えば一日で座っている時間が多いような生活パターンの人は、下半身の回復が早いと同時に衰えも早いのです。つまり
超回復を通り越して先ほどのデイトレーニング、脱トレーニング状態になってしまっている
のです。そのためただじっと休んでいるよりは軽い運動やストレッチなどを行うなどしてもよいです。このような休息・回復方法を積極的休息(アクティブ・リカバリー)などと言うこともあります。
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結び
なるほど。超回復・・・。筋肉を発達させるには休息が必要なんですね。今まで毎日がんがんやってたのは何だったんだろう・・・・なんて、ダメダメ、落ちないでください。これから学んでいけばよいのです。
しかしまだ「腑に落ちない」という人。次のぺージで決着をつけよう。今度こそ「毎日腕立て伏せや屈伸をやっても筋力アップも筋肉量を増やすこともできません!!」ワケを納得してもらいましょう。筋力アップや筋肥大に必要な負荷とはどういうものかを。