※参考資料:食品成分表、図版オールカラー 栄養成分の事典
1:ビタミン・ミネラルとは
タンパク質、糖質、脂質など三大栄養素やエネルギーを分解したり、くっつけたり、運んだりする役目をするのがビタミン・ミネラル類です。
三大栄養素が材料だとすれば、ビタミンとミネラルは道具や接着剤のようなもの
です。
つまりビタミンとミネラルが不足すれば、いくらタンパク質を一生懸命とっても筋肉は思うように発達しないし、糖質をいくらとっても疲労回復もエネルギー補給も十分になりません。タンパク質から筋肉を作るビタミン・ミネラル、糖質や脂肪を燃やすためのビタミン・ミネラル、神経反応のよくするビタミン・ミネラルなど、知っとかなきゃいけない栄養学の必須知識を学ぼう!
2:運動前に必要なビタミン・ミネラル
運動にはエネルギーを効果的に燃やすことが大事です。なのでこれから運動、トレーニングを使用という時にはエネルギー代謝に必要な、栄養素を摂ります。神経反応に必要な栄養素の必要です。
ビタミンB群
糖質、脂質、タンパク質の代謝に欠かせない要なのがビタミンB群です。B群とは
B1、B2、ナイアシン(B3)、B5、B6、ビオチン(B7)、葉酸(B9)、B12
がありますが、
- 糖質エネルギー代謝にはB1
- 脂質エネルギー代謝にはB2
が特に必要なので、運動前にしっかり補充しよう。「ブタミンパワー」なんて言われていたのは豚肉にB1が多く含まれているからですね。神経伝達機能にも欠かせないビタミンです。
B1を多く含む食品
うなぎ、たらこ、豚肉、生そば、胚芽米、大豆、など
B2を多く含む食品
うなぎ、肉類、卵、モロヘイヤ、牛乳、ヨーグルト、納豆、など
ビタミンB群の摂取のポイント
ビタミンB群は水溶性ビタミンです。そのた汗や尿からどんどん排出されてしまうので、運動後にも補給が必要です。
またビタミンB群はチームで働きます。
のがポイント。右のようなサプリメントの利用も効果的。
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カルシウム・マグネシウム
神経伝達に必要なミネラルがカルシウムやマグネシウムです。つまり反応速度や筋収縮速度の向上に重要です。
カルシウムを多く含む食品
干しエビ、煮干し、ひじき、モロヘイヤ、ヨーグルト、牛乳、がんもどき、など
マグネシウムを多く含む食品
こんぶ、わかめ、アーモンド、ピーナッツ、栗、ゴマ、大豆、など
- ストレスに弱いミネラルとビタミンです。ストレスの多い人は意識してとろう!
- 砂糖や油にも弱いミネラルとビタミンです。とりすぎに注意!
次は運動後に必要なビタミン・ミネラルです!
3:運動後に必要なビタミン・ミネラル
運動後、トレーニング後は体や筋肉が疲労していると同時に最も疲労を回復させようとしている時でもあります。そのタイミングで特に必要な栄養分がとれているかどうかで回復・発達レベルが変わってきます。
ビタミンC・カルシウム・マグネシウム
カルシウムやマグネシウムは骨や筋肉を作るのに必要なミネラルで、ビタミンCが接着剤として働きます。不足すると、ミネラルの貯蔵庫である骨から下ろして使います。
ビタミンCはB群と同様水溶性のビタミンです。運動後は汗で特に不足した状態になっています。100%オレンジジュースなどで運動後即補給だ!
ビタミンCを多く含む食品
ピーマン、ブロッコリー、アセロラ、柿、オレンジ、グレープフルーツ、など
ビタミンB6・亜鉛
どちらもタンパク質の合成に働くビタミン、ミネラルです。B6はタンパク質の摂取量が多いほどより必要となってきます。
B6を多く含む食品
サンマ、カツオ、マグロ、牛レバー、牛ヒレ、赤ピーマン、バナナ、など
亜鉛を多く含む食品
カキ(貝)、和牛肩、豚レバー、そら豆、など
次はその他のビタミン・ミネラルを解説!
4:各種ビタミン・ミネラル
トレーニング前後だけではありません。普段の生活での食事がトレーニング前のコンディション、トレーニング中の効果、トレーニング後の回復力につながっていくです。
鉄
鉄と言えば血ですね。運動する人は特に血を作ってくれる鉄を意識してとろう。マラソンなどの持久系の競技には重要です。
鉄を多く含む食品
赤貝、サンマ、豚レバー、小松菜、大豆、など
カリウム
余分なナトリウム(塩分)を排出する働きをします。また、不足すると筋肉の働きが低下し、けいれんしやすくなります。汗で排出されやすい。
カリウムを多く含む食品
こんぶ、岩のり、ひじき、ほうれんそう、さといも、アボガド、バナナ、など
リン
カルシウムとともに骨や筋肉の構成に必要なミネラルです。カルシウム:リン=1:1が理想比率とされていますが、リンは肉・魚・卵などに多く含まれ、たいがいはカルシウム不足になりがちです。
ビタミンA・D・E・K
A、EはCとともに皮膚や粘膜を丈夫にしたり抗酸化作用、いわゆる「アンチエイジング」に働くビタミンです。Dは歯や骨の形成に働きます。Kはカルシウムを骨から排出されないように維持したり血液の凝固に働きます。
そしてA・D・E・Kは脂溶性のビタミンで、油に溶けやすく体内で貯蔵もされます。Dは日光に当たると体内で合成されるビタミンで不足する事はほとんどありません。
Aを多く含む食品
うなぎ、鶏・豚レバー、モロヘイヤ、にんじん、など
β-カロテンとビタミンAはどう違う?
β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれ、体内に入るとビタミンAとして働く栄養素です。
Eを多く含む食品
うなぎ、西洋かぼちゃ、アーモンド、種子類、ひまわり油、など
Kを多く含む食品
納豆、のり、あしたば、つるむらさき、おかひじき、春菊、豆苗、など
コエンザイムQ10
エネルギー(→運動のエネルギー代謝のしくみ)は、細胞内のミトコンドリアというエネルギー生産工場で作られます。その工場の従業員として働いてくれるのがマグネシウムとこのビタミンQ、通称コエンザイムQ10です。体内で合成されますが加齢とともに減少していきます。脂溶性。
コエンザイムQ10を多く含む食品
いわし、さば、牛肉、豚、、落花生、など
最後にビタミン・ミネラルの効果的な摂取方法など補足解説!
5:ビタミン・ミネラルの効果を高める
細かく考えると難しいビタミンやミネラル類。それらをより効果を高める摂り方、簡単に補給できる方法などもちょっと考えてみよう。
水溶性ビタミン(B群、C)
ビタミンCは、筋肉だけではなく皮膚や血管など体のあらゆる組織の形成に働き、免疫作用もあります。乳酸などの代謝物質の除去にも働くので運動後だけではなく前や運動中にも必要です。Bなどと同様汗などでどんどん排出されますから、CやB群は運動前後はもちろん朝でも昼でも取れる時にとりましょう。
脂溶性ビタミン(A、D、E、K)とミネラル
A、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンは、体内で貯蔵がきくので晩ご飯にしっかり意識してとるとよいです。
ミネラル類も、例えばカップラーメンを食べる時そのまま食べるのではなく、煮干しやひじきなど乾きものを投入するなどの工夫をすれば、補給する事ができます。また、上で紹介している多く含まれる食品でなくても幅広く多くの食品をとれば、必要な栄養素をクリアーできます。
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結び
どうだったかな?とりあえずこれだけは・・・という話をとりあえず紹介しました。基本はとにかく幅広くいろいろな種類の食材を食べる!です。
そしてトレーニング同様食事方法もアイデアと工夫です。しっかり食べて、しっかりトレーニング。地道ですがこれが筋肉発達の一番の近道です。
ところで食事はトレーニングの前や後のことばかり気にしてはいませんか?いやいや、トレーニング中だって見過ごしてはいけません。次はトレーニング中の水分補給について学びましょう。