熱中症になる可能性が低いと思われる運動環境は次のどれでしょうか?
- 晴天で湿度が低くカラッとした気温が24度の屋外運動場
- 冬の暖房で室温24度の屋内施設
- 夏の冷房で室温24度の屋内施設
- 曇りで湿度が高く蒸しッとした気温24度の屋外運動場
どの選択肢も可能性があって意地悪な問題かもしれませんが強いて言うなら2「冬の暖房で室温24度の屋内施設」が正解です。なぜなら最も湿度が低い状態が維持できる可能性が高いからです。屋外なら気づかないうちに気温や湿度が上がっている可能性もあります。ただ2の場合でも、24度あるのにもかかわらず冬なので厚着をしていて体温が上昇して・・・・という可能性も否定できません。
「熱中症は気温が30度くらいで発症するもの」と勘違いをされている方もいますが、これは従来の「日射病」のイメージから来るものだと思われます。現在では日射病という言い方はほとんどなされません。では熱中症とはどのような状態なのか、日射病と何が違うのか、あと「熱射病」と日射病は違うのか、など詳しくみていきましょう。
熱中症とは
熱中症の発症する環境は一言で言うと「高温、多湿」です。直射日光が当たるか、屋外であるかどうかは関係ありません。冷房の効いた屋内であっても湿度が高い状態で、運動による体温の上昇で熱中症になる可能性はあるのです。日射病は「直射日光が原因で起こる熱中症」ということになりますが、もちろん屋外では日陰よりも日光が当たっている方が危険性は高まります。具体的な熱中症の症状は、様々な考え方があるようですが、日本赤十字社では体温上昇の順に次のだいたい3段階に分けられます。
1:熱けいれん
痛みをともなった筋肉の痙攣。水のみの補給で血液の塩分濃度の低下が原因。
2:熱疲労
大量の発汗によって水分補給が追いつかず脱水症状におちいり、疲労感、頭痛、めまい、吐き気などの症状があらわれる。
3:熱射病
脳の温度上昇のため体温調節機能が破綻した状態。意識障害、もうろう状態、錯乱、昏睡など死亡率も高くなる。
日本スポーツ協会ではこの3つに加え「熱失神」(運動後など立ち上がった時に起こるめまいや一時的な失神)という病型もあります。3の熱射病の症状が見られたら即救急車を呼びますが、2の熱疲労でも病院に搬送します。ワタクシの経験では2でも身動きできないようだったら救急車呼んでもかまわないと思います。
熱中症に関するさらに詳しいお話、対処方法などワタクシなどよりも日本スポーツ協会や環境省の資料を一読することをお勧めします。