1:アスレチックリハビリテーションとは
一生懸命練習してきたのに怪我をしてしまった。ああ、これで今シーズンを棒に・・・ということをできうる限り回避し早く競技に復帰できるような状態に体を作るために計画なトレーニングを怪我の回復期間中から始めること、それがアスレチックリハビリテーション=アスリハです。例えば
右太ももを骨折して三週間入院することになった。退院しても完全に骨がくっついて回復するまで3ヶ月かかる、とします。この場合
- 3ヶ月間何もしないでじっと安静にし、完全回復してからトレーニング再開
- 完全回復前に、できるところから少しずつトレーニングを始める
さて、どちらを選びますか? 何もしないでじっとしていれば、患部そのそもの回復は確かに早いかもしれません。しかし何もしない時間が長ければ長いほど、患部周辺はもちろん、それ以外の筋肉も筋力は落ちていき筋肉も細くなっていきます。心肺機能も低下します。油断していると体脂肪も増えてしまうことになります。完全回復してもそのような状態からでは怪我以前の状態に戻すにはさらに長期のトレーニング期間が必要となり、結局シーズンを棒に・・・・ということなってしまいます。
逆に2のように、患部に負担のないように、動ける所から少しずつトレーニングをできうる限り早い時期から再開した方が、
完全回復時の体力低下も最低限に押さえられ、短期のトレーニングで競技復帰できる
のです。これがアスレチックリハビリテーション = アスリハの考え方です。患部そのものも、完全安静ではなく少しずつ動かしていくリバビリテーションもあります。
※リハビリテーションについては必ず医師や理学療法士さんに相談して下さい!
ではアスリハの具体的な計画の立て方の基本とは?
2:アスリハ計画を立ててみよう
例題
右太ももを骨折して三週間入院することになった。退院しても完全に骨がくっついて回復するまで3ヶ月かかる
この例でアスレチックリハビリテーション計画を実際に考えてみましょう。
1週間目
完全安静。
2週間目〜1ヶ月
上半身の腕など下半身に負荷のかからない程度にトレーニングを開始。
アームカールやアームエクステンションなど単関節種目(OKC)に限定(→単関節種目とは→OKCとは)、ストレッチ
2ヶ月目
怪我をしていない左の脚や体幹部のトレーニングを開始。
怪我をしている方も、足首など動かせる箇所は動かすようにする。
3ヶ月目
可能な範囲で怪我をしている右の方の膝を動かして、大腿部の筋肉の動的柔軟性と膝関節の稼働域のトレーニングを開始。
- 左脚・・・・補助付きで片脚スクワットのような複関節種目(CKC)や体幹のバランストレーニングなども始める(→複関節種目とは→CKCとは)、ストレッチ
- 右脚・・・・可能な範囲で軽負荷でのマシン、もしくは負荷なしでのレッグカールやレッグエクステンション、カーフレイズなど単関節種目(OKC)、アイソメトリクストレーニング、ストレッチ
怪我をしていない左の方や上半身はトレーニングの強度を上げる。
※あくまで参考例です。アスレチックリハビリテーションについては必ず医師や理学療法士さんに相談して下さい!
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結び
どうだったかな?一言で言えば「ぼんやり休んでないでやれることはやっとけ」ということですね。
また、くりかえしますが大きな怪我でアスレチックリハビリテーションを実践する時は必ず医師や理学療法士さんに相談して下さい!
ところで競技によっては体重管理も必要な場合もあると思います。ということで減量時のトレーニング計画についても学んでおこう!