1:回復期から増量期への転換のタイミング
調整期・休息・回復期から筋力がもどってきたら、増量期 = よりレベルアップした筋肥大のメニューに入ります(→トレーニング計画中級編)。
競技選手の場合は、量(ボリューム)よりもいっきに負荷重量をあげて筋力・パワーアップを目指すのもいいですが(→ピリオダイゼーション(ペリオダイゼーション))、
筋肥大のメニューなら筋持久力アップにもなり、(→筋持久力をアップするには?)、
回復期のメニューにレップ(回数)とセット数を増やすだけで筋肥大のメニューになる
のでスムーズに移行しやすいと思います。ですから休息・回復期→増量期の間にはっきりと線引きをする必要はなく「なんとなくだんだん強度アップ」みたいな感じでよいです。
- 上半身
腕立て伏せ、ディップス、 ダンベルベンチプレス、
ワンハンドダンベルロー、チンニングなど - 下半身
スクワット、デッドリフトなど
★これらの複関節種目に加え、アームカール、アームエクステンション、レッグカール、レッグエクステンションなどの単関節種目も加え、種目数を増やす。
2:パワー・記録アップ期
筋力は筋肉の太さに比例するから筋肥大すれば数字上は筋力アップしますが、実際にはそれに見合った
負荷を上げて神経を刺激しなければ実質的な筋力発揮はできない
ということは筋力アップのメカニズムのページで解説した通りです。しかしトレーニングを長く続けていれば、筋肥大のセットメニューを単純に続けていても、思うように筋肉が増量するということもなくなってきます。
ですから右図のトレーニングサイクルの増量期のメニューは、増量目的であると同時にむしろ
回復期から高強度メニューによるパワーアップ期への準備期間
と位置づけても良いです。なぜなら高負荷・高強度の筋力アップメニューでも筋肥大はするのです。例えば
種目数ではなく、複関節種目だけでセット数を増やす
→高負荷のピラミッドセット法で下りのセットにドロップセット法を加える(高負荷ピラミッドセット法)
といった方法で筋力アップと同時に増量メニューにすることもできます。ですから休息・回復期→増量期の間と同じように、増量期→パワー・記録アップ期の移行もはっきりと線引きをするのではなくやはり「なんとなくだんだん強度アップ」みたいな感じでよいです。
→プライオメトリクス・パワー・スピードトレーニング頻度・回数の決め方
→神経系・筋力系・持久系総合フィジカル強化方法
結び
いろいろ筋肉を刺激するセットメニューを工夫してみよう。このような変化、サイクルをくりかえすことで筋肉はより発達していくのです。
では1年中筋トレばかり続けるわけではない、競技選手のシーズンと筋トレの取り組み方、ピリオダイゼーション(ペリオダイゼーション)について考えてみよう。