1:これではあかん!?"ありがち"膝つき腕立て伏せ
上の2つが膝つき腕立て伏せでよくありがちな失敗例です。1つ目は体幹が安定せず
股関節が動いてしまって腕立て伏せになっていない
パターン。2つ目は膝をついた状態でも上半身の筋力が足りず支えきれずに地面にくっついてしまっているパターンです。
逆に2つ目のようにならないようにしようとすると、1つ目のようになってしまうのではないでしょうか。
筋力が足りなくて体をささえられないということは、負荷の強いハードな筋トレをしているということ
なのでかえって体をを痛めてしまうこともありえます(→筋力と筋トレの負荷について)。
ではどうしたらよいでしょうか?効果的に大胸筋や二の腕の効く膝つき腕立て伏せのやり方とは?!
2:正しいフォームを理解しよう
膝つき腕立て伏せ、通常の腕立て伏せ同様「正しいフォーム」があります。
まず手の向きが上のイラストのようになるようにします。また、肩の角度を右のようにとります。水平にすると肩を痛めやすくなります。手の向きを上右のようにすると肩が水平になりやすくなります。
→腕立て伏せの基本と肩の角度
膝から下の足は床に着けてもいいし浮かしても、やりやすい方でいいです。しかし着けると上記の1つ目の「股関節使ってしまう失敗パターン」になりやすくなります。
では2つ目の筋力が足りないパターンの場合の修正方法は?
3:手の位置を高くして負荷を下げる
先ほどの失敗例の主な原因は「筋力の弱さ」にありました。つまり通常の膝つき腕立て伏せでは負荷が強すぎると言う事なので、負荷を下げてやれば良いのです。そのもっともてっとり早い負荷を下げる方法が右上のように
手の位置を高くする
ことです。
また、台を使う事で上のように肩関節の稼動域が広がりより大胸筋と二の腕(上腕三頭筋)への効果が高まります。本や台を使って
なんとか20回できる高さ
に調節しよう(→筋トレの負荷設定の理論と方法)。
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次は膝つき腕立て伏せの問題点について考えてみよう。
4:腕立て伏せのメカニズムと問題点
ベンチプレスと大胸筋
膝つき腕立て伏せの問題点を考える前に、まず腕立て伏せと、バーベルやダンベルを使ったベンチプレスとの違いを理解する必要があります。ベンチプレスでは、バーベルを胸の辺りからスタートし、手から肘を地面と垂直に維持する事で、腕立て伏せと同様肩と腕が水平にならないようにします。そうすることで、上の絵のように胸の上からスタートして肩の真上に来るように頭上の仮想の点を中心とする円軌道上を通る事になります。これが大胸筋への効果を高めるのです。
これが腕立て伏せの弱点だ!
一方腕立て伏せでは、上のようにこの円軌道の中心が逆向きの足方向になるため、手から肘を垂直に維持することができず手首に角度がついてしまいます。その結果、ベンチプレスと比べて
肘関節の曲げ角が深くなって大胸筋よりも上腕三頭筋の方に負荷がかかってしまう
のです。
その上膝を地面につけると、上右のように
その円軌道の半径が短くなって、肘関節の曲げ角がより深くなってしまう
ので大胸筋にはさらに効きにくくなります。その分二の腕=上腕三頭筋の筋トレにはよいかもしれません。
1番のおすすめは、右のように基本の腕立て伏せを傾斜の上でやる方法です。テーブルやイス、あるいは壁に手を着くやり方でもいいと思います。
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結び
たんなる膝つき腕立て伏せも、正しくやろうと思えばここまで奥深い話になってしまうのです。一歩間違えれはぜ"NG腕立て伏せ"の仲間入りです。
しかし他にもNG腕立て伏せはあります。あんな腕立てこんな腕立て・・・次はそれらの"NG腕立て伏せ"について考えてみよう!