1:ベンチプレスと上腕三頭筋 - パーシャルレンジ法
ベンチプレスや腕立て伏せは、大胸筋だけではなく二の腕後ろ側の上腕三頭筋や肩の三角筋前部も働いています。
いわゆるスティッキングポイント(挙げはじめてから腕が水平になった当たりのキツい所)を過ぎて腕が伸びはじめた後半からフィニッシュの「挙げきる!」場面では、上腕三頭筋の強さが特にものを言います。
そこでその「後半からのフィニッシュ」に重点をおいた「パーシャルレンジ・ベンチプレス」をやってみよう。
パーシャルレンジ = 部分的な稼動域
という意味で、逆に通常のボトムからトップまでのすべての稼動域は「フルレンジ」です。
つまりベンチプレスに限らず、パーシャルレンジでのトレーニングとは
稼動域を限定して行う
トレーニングで、ここでの「後半からのフィニッシュに重点をおいたパーシャルレンジ・ベンチプレス」は、ボトムまで下ろさず肘の角度が120度くらいからトップまで挙げ下げします。
トップ側稼動域でのパーシャルレンジではフルレンジのトレーニングよりも高重量があつかえる
ので強化の効果があるのです。フルレンジベンチプレスの時の5RMくらいの負荷でやってみよう。
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2:バウンドテクニック
「バウンド」とは、その他のとおりバーベルをバウンドさせる、つまり弾ませるテクニックです。「もう挙がらない・・・」限界レップでこの技を使って強引に挙げます。
- 胸にバーベルシャフトが触れるまで下ろしきる
- 胸に触れた瞬間体幹を跳ね上げて胸で弾ませるように挙げる
体幹を跳ね上げる時、
肩甲骨と殿部はベンチから離れないように
注意。
臀部がベンチが浮くくらい勢いをつけて跳ね上げる方法もありますが、パワーリフティング競技では失格になります。
3:足上げベンチプレスと体幹
バウンドとは逆に
体幹が持ち上がらないよう
体幹への負荷を増すトレーニング。足を床から離してベンチに乗せてベンチプレスを行う。
下半身での支えがなくなる分大胸筋への負荷が増す
が、高重量は挙らなくなる。
さらに足をベンチからも離して完全に宙に浮かしてベンチプレスをすると、不安定さが増して体幹の腹部への負荷が増し体幹トレーニングとしての要素がメインとなる(→体幹トレーニングとベンチプレス)。
ので、いずれも
肩甲骨や殿部がベンチから離れないように押し付ける体の使い方
を強化するトレーニングとして行うとよい。
これと同様の股関節屈曲位での大胸筋トレーニングとしては、チェストプレスマシンやバタフライマシンがある。
フリーウエイト、中でもバーベルベンチプレスは大胸筋を厚く筋肥大させるの最強の筋トレであることはまちがいない。と同時にフリーウエイトの大胸筋種目は上腕三頭筋にも負荷がかかる。大胸筋によりアイソレイト、ピンポイントで効かすにはバタフライマシン・ペックデックマシンのようなマシントレーニングを補助強化種目としてとりいれるのがいいぞ!
→バタフライマシンやチェストプレスマシンなど大胸筋マシントレーニングについてくわしく!
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4:プライオメトリクストレーニング
バウンドテクニックで出てきた「胸に落とした反動で跳ね上げる方法は伸張反射という原理が働いています。
この伸張反射そのものと筋収縮速度(→筋収縮速度とは)を向上するためのトレーニングがプライオメトリクスです(→プライオメトリクストレーニングとは)。
大胸筋を中心とする最もポピュラープライオメトリクストレーニングがプッシュアップジャンプです。まずは静止状態から合図に反応して瞬間的に最大パワーを引き出す「爆発力」トレーニング。
そして伸張反射を連続して筋収縮速度を高める「連続ジャンプ」トレーニング。連続ジャンプは
接地時間を極限まで短くする
のがポイントです。
1のパーシャルレンジでのジャンプもやってみよう。
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結び
同じベンチプレスでも、目的によっていろいろなやり方があるのです。なかなか重量が挙がらない、伸びないというのは誰もがぶつかる壁だと思いますが、色々試行錯誤して続けてみよう。
次は体幹強化をメインにしたベンチプレスのバリエーションを紹介しましょう。