1:ローテーターカフ基本解説
いわゆる「インナーマッスル」といえばこの筋肉たちを指すくらいちまたではメジャーなインナーマッスル、それがこのローテーターカフという肩関節の肩関節の回旋筋腱板=棘上筋、棘下筋、肩甲下筋(→肩関節の特徴)のことです。
しかしインナーマッスルと言っても「棘下筋」は背中から見える筋肉なので"インナー"ではなく"アウター"です。ではなぜインナーマッスルと呼ぶかというとそれはこの筋肉の働きによります。
このローテーターカフの主な働きに、
腕が肩関節から外れないように肩甲骨に引きつけておく働き
があります。このような関節を固定する働きをする筋肉は、インナーマッスルというよりは「ローカル筋」と呼ぶ事が多いです。それに対して大胸筋や広背筋等身体を動かすために強い力を発揮するための大きな筋肉をグローバル筋と呼びます。
また、
投球動作他肩関節を動かす運動でこれらのローテーターカフが過度に引っ張られたりねじれたりする
ことで、肩の故障の原因ともなりるためこのローテーターカフの柔軟性や筋力が大事になってきます。中でも棘上筋が特に重要です。のでまずはその棘上筋について学びましょう。
2:棘上筋
棘上筋は肩関節の外転動作(→肩関節の特徴)の時、最初の30度くらいのところまでよく働きます。
30度からは三角筋が強く働きます。だからこの棘上筋のトレーニングとして従来からよく行われている右上のような"エンプティー缶"と呼ばれるトレーニング方法では、どう考えても三角筋が働いてしまい棘上筋が鍛えられてそうにはありません。
なぜならこのような円運動では、最初のスタート時点から30度程度までは運動の方向と重力(負荷)の方向が違うので、軽い負荷だけでは棘上筋にはほとんど負荷がかからないのです。
▼こちらも!
確実に棘上筋に効かすには、右のようにベンチに横になって、30度くらいまで外転させます。体の真横ではなく前の方からスタートさせると棘上筋がストレッチされ稼働域が広まります。サイドレイズの三分の一の重さも扱えないので三角筋が働いていないことが実感できます。
- ★30度までで止める!
- ★前方からスタートして稼働域を広げる!
つづいて棘下筋と肩甲下筋のトレーニング!
3:棘下筋と肩甲下筋
棘下筋・肩甲下筋の特徴
棘上筋だけ独立して、棘下筋と肩甲下筋をセットにしたのには意味があります。棘上筋の働きが主に縦方向の動きであるのに対して、棘下筋と肩甲下筋はともに横方向の動きに働きます。しかも
- 棘下筋・・・・外旋
- 肩甲下筋・・・内旋
というふうに逆方向に働くのがこの二つの筋肉の特徴です。コンビ筋ですね。
棘下筋(外旋)の筋トレ
肩甲下筋(内旋)の筋トレ
肩甲下筋と同じ働き(内旋)をするその他の筋肉
4:トレーニングの進め方
腕立て伏せやベンチプレス、チンニングなど肩に負担がかかるトレーニングの前に、肩のウオーミングアップとしてローテーターカフの筋トレをとりいれてみよう。その場合は負荷なしで、立った状態でもいいので、上の筋トレ方法の動きを20から30回ほどゆっくり温めるように繰り返して、それぞれの筋肉を動かしてみよう。
▼こちらも!
- ★20回が限界という負荷で限界まで
インターバル(→インターバルとは?)一分ほどで2〜3セット - ★上げ下げに5秒かける!
ゆっくり動かしてじっくりローテーターカフにじわーっと効くような感じでやろう。
首・肩甲骨・肩周辺の筋肉、骨格などのしくみや動き、機能や障害などオールカラーの3Dイラストで詳細に解説されている。特に投球動作による肩の障害について動作のバイオメカニクスとともにわかりやすく解説されている。
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結び
フォームができてローテーターカフにしっかり効かせられるようになったら、上げは少し速く上げて筋力強化をはかってみよう。ただしデリケートな関節なので重い負荷をあつかったり無理はしないこと。基本はとにかく軽い負荷でゆっくりやってじわあっと温めるような感じです。
無理に重い負荷をあつかったり速く動かすとフォームが崩れる
ので気をつけよう。
さて、これでひととおりの筋トレ種目を勉強しました。が、まだまだこれからです。もっと勉強しなければならないことがあります。次はちょっと頭を使ってもらいましょう。より筋トレの効果をより上げるために必要不可欠な理論と知識を学びましょう。