1:忘れていないか?!三角筋後部
三角筋のしくみと働きのページで解説したように、肩の三角筋は前部・中央部・後部に分けることができますが、これまでやってきた三角筋筋トレサイドレイズ(三角筋中央部) 、アップライトローイング(中央部)、 フロントレイズ(前部) 、はもちろん最強種目のショルダープレスでも後部があまりきたえられていません。
しかし野球やバレーボール、テニス等、肘を深く曲げずに腕を後方に引く動作がある競技は多いです。三角筋後部をしっかりトレーニングしておくとやはり競技力向上につながると思います。というわけで後部を鍛える三角筋メニュー「リアサイドレイズ」をやってみよう!
2:三角筋後部の働きとリアサイドレイズ
これまでのどの三角筋メニューでもおろそかだったといっても、しかしもちろん三角筋後部にも大事な働きがあります。例えば下のような筋トレを見てください。
ワンハンドローイング、デッドリフト、チンニング、ロープーリー、などの背中の筋トレ種目のように、肩関節伸展動作=つまり腕を後方へ引く動ではこの三角筋後部が働きます(→肩関節の働き)。
つまり背中の種目で伸び悩んでいる時、上のようなこのリアサイドレイズで
三角筋後部を集中強化する事でさらに背中を強化
につなげることもできるのです。腕を後方を引く動作を強くしたいという場合はなおさら必須メニューです。
ではいよいよリアサイドレイズをやってみよう!
3:実践!リアサイドレイズ
基本フォーム
- 膝を少し曲げ、股関節を支点に骨盤を前傾させて体幹を真っ直ぐに維持し上体を倒す。水平と上体をだいたい20°から30°くらいを維持。視線は完全に下を見ると背中が丸まりやすいのでやや前方を見る
- 動作中、ダンベルを握る手の甲が常に前向きになるように維持する
- 動作中やや肘を曲げる。肘から引くようにするのがポイント
- トップポジションでは水平と腕の角度が20°から30°くらいになるように挙げる
呼吸方法
挙げながら息を吸い、下ろしながら吐く
以上の基本をふまえ、三角筋後部をてきかくに鍛えるためのリアサイドレイズのポイントやありがちな注意点を次に解説。
4:肩甲骨と三角筋
三角筋の基本ページで解説したように、三角筋は上腕骨と肩甲骨をつなぐ筋肉です。なので三角筋に負荷を集中するにはやはりリアサイドレイズの動作中できるだけ肩甲骨が動かないように、
肩甲骨を内転させ軽く胸をはった状態を維持(→肩甲骨の働き)
します。
胸を張らず肩甲骨が外転下状態からスタートすると、腕を挙げる時に肩甲骨が内転動作をして僧帽筋が働きます。
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最後に僧帽筋同様背中側の筋肉と三角筋の関係について。
5:三角筋後部と背筋種目
リアサイドレイズでありがちなのが、右のような広背筋の筋トレであるベントオーバーローイングになってしまうことです(ないか?)。あまり重い負荷を無理に挙げようとすると肘が曲がりすぎて広背筋を使ってしまうので、ダンベルの重さには注意しよう。
また、このベントオーバーローイングのような広背筋や背中を鍛える筋トレは、2でも解説したように三角筋後部が働きます。
なので背筋メニューを行う前にリアサイドレイズで三角筋後部を疲労させてしまうと背筋のトレーニングが全力で行えなくなります。分割法(→分割法とは)で、今日は下半身のメニューを中心にして背筋系のメニューはしない時にこのリアサイドレイズで三角筋後部を集中的にトレーニングすると良い。
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結び
筋肉そのものも地味、トレーニングも地味、なのであんまり流行らないリアサイドレイズ。最初の方にも書いたように野球やバレーボール、テニスのような肘を深く曲げずに腕を後方に引く動作がある競技、やってないか?
さて、本ページでちょっとだけ出てきた肩のもう一つの筋肉「僧帽筋」をきたえるにはどうしたらいいか。次はそれを学ぼう。