大沼大学空手道部の土曜日。今年の正月から新たにとりいれられた体幹トレーニングを全員で行うのが土曜日の恒例となっていた。「いいか!まずは1セット目3分!!ようい・・・・始め!!!」主将木下のかけ声とともに、肘をついた状態から全員いっせいに腹部を持ち上げ"肘立て伏せ"の体勢になって止まる。そのまま固まったまま3分間耐える。お腹が落ちてきたりしないよう腹筋に力を入れて、背筋をピンとまっすぐに維持し続けなければならない。
「あううう・・・・」早いものは20秒程度でもううめき声をあげてお腹が下がって行きダウン。新入生で1分もつものはいない。体重90キロの一回生足立は10秒もたなかった。ちなみに木下の最高記録は6分29秒である。そして3分終了と同時に木下の号令が道場に鳴り渡る。「やめぇっ!一分休憩で・・・・・・はい2セット目用意、5分!用意はじめ!!」1セット目で20秒持たない一回生が2セット目、しかも5分などもつはずもない。しかし木下はほえる。「オラー!腹上げろぉ!!」ちなみに腹が着いた回数×10回の拳立て伏せが待っている・・・・・・・そしてすべてが終わった後、道場の入り口に戻ってきた男が一人。そう、一回生藤田堅である。
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