今年は4年ぶりに新入生10人越え。大沼大学空手道部の本年度のスタートは例年になく盛り上がった。恒例の四股立ち正面突き100本。新入生は20本くらいで腰が上がってくる。足腰に自信のある二回生以上でも100回四股立ちを維持するのはきつい。しかし新入生10人、いや10人のはずなのだが一度も基本に参加した事がない者が一人いた。基本が全て終わる頃を見計らって社長出勤する一人の新入生。彼のその不遜、先輩たちには不遜以外の何物でもないその態度に主将木下以下先輩たちがなぜさからえなかったのか、それには理由がある。初日いきなり遅刻してきた藤田に木下が「おい・・・」とつめよろうとするやいなや、このせまい道場にかつてない光景が展開する。微動だにしない四股立ち、低く俊敏な猫足立ち、氷を切り裂くような手技のキレ・・・・・藤田のセイエンチンは、大沼大学始まって以来最高に極っていたことは疑う余地がなかった。この新入生がただ者ではない事は誰もが認めざるをえなかったのだ。
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