足をあげる動作に使われる筋肉は、腹筋ではないからです。ではどの筋肉が使われるのかというと、骨盤・腰部と大腿をつなぐ筋肉である大腿直筋と腸腰筋という筋肉です。(この二つの筋肉にかんする詳しいお話はこちら)これらの筋肉は脚を持ち上げる時に働く筋肉で、特にあおむけになって脚を上げるいわゆる「足上げ腹筋」をすると特にこの腸腰筋に強く負荷がかかります。しかしこの腸腰筋は大腿と腰部を直接つないでいるため、「足上げ腹筋」をすると腰にそうとうな負担がかかります。しかもこの「足上げ腹筋」を10数回くらいしかできないとなると、初心者や普通の人にはかなりの高負荷トレーニングになってしまい、へたをすると腰をいためる原因となることがあります。脚をのばして腹筋をやってはダメと言われる理由もこれと同じです。
しかしまったく腹筋を使わないというわけではありません。上半身をささえるために腹筋は使われます。しかしそれは腕立て伏せやスクワットをする時も同様で、腹筋を主に強化しているわけではありません。腰を痛めるリスクを負うよりも、普通に腹筋をすればなんの問題もなく効率的に腹筋を強化できます。