今回は三角筋である。この筋肉をなぜ三角筋と呼ぶのかはワタクシは知らない。左下の絵を見る限り、どー見ても三角には見えない。なに?見える?・・・・バカ。
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見ての通り三角筋というのは、一見1つの筋肉に見えるが厳密には前部・中央部・後部に分かれている。三角筋がやっかい者なのはこの点である。つまりトレーニングの際それぞれ別々の方法で刺激していく必要があるからだ。中でもさらにやっかいなのが中央部である。
そこで右下の絵を見てほしい。これが三角筋中央部のやつであるが見ての通り、なんともいびつな肉のかたまりである。しかしよく見てほしい。筋線維が斜めに走っている。こうゆう筋肉を羽状筋といい、この羽状筋がいくつも束ねられて三角筋中央部を形成している。このため筋線維が様々な方向を向いているため、トレーニングの際も様々な方向から刺激を与えていく必要がある。
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三角筋中央部を最も効くのは左上のような「サイドレイズ」である。また第1回で述べたように、上腕骨は水平までしか外転できない。それより上に腕を上げるには肩甲骨を動かす必要がある。しかし三角筋中央部は上絵のように肩甲骨の横の部分と上腕骨側部をつないでいる。したがって、三角筋中央部の働きを最もとりだすためには肩甲骨が動かないよう水平までで止めることである。肩甲骨を動かすには三角筋前部と僧帽筋が働くのでその前で止めるのである。息を吸いながら持ち上げ、水平のところで一瞬止めて、ゆっくり吐きながら下ろしていくのがコツである。また上記のように様々な方向から刺激をあたえるため、スタートポジションも様々なパターンで行う。
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それでは三角筋前部はどうするかであるが、すでにお分かりのように水平よりさらに上げていけばよいのであるが、上絵の通り三角筋前部は鎖骨と上腕骨即部やや前に付着している。つまりサイドレイズの時とはちがい、腕を外旋させて(手の甲が後ろに向く)行うショルダープレスを行えば、三角筋前部に確実に効く(呼吸はベンチプレスと同じ)。つまり鎖骨を動かないよう固定するのがポイントである(多少は動く)。鎖骨が動くということは僧帽筋が強く働いている状態である。ようするに鎖骨と上腕骨が左の絵のような関係にあるとイメージすればよい。したがってベンチプレスでも三角筋前部は働く。
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またフロントレイズでも三角筋前部を強く刺激することができる。サイドレイズと同じやりかたでサイドではなく前に上げるだけである。フロントレイズの場合は水平で止めずに上がるとこまで上げる。ただし肩甲骨が動かない程度まで。肩甲骨が動くということは僧帽筋が働いてしまう。
というわけで今回はここまでだ。え?後部を忘れてるって?後部なんかどーでもいい。そのうち出てくるだろ。そんなの無責任だ?だからワタクシは前から何度も言っている。「気に食わなきゃ帰れ。」ちなみにサイドレイズでもショルダープレスでもフロントレイズでも、前部・中央部・後部すべて共同して働く。種目によってそれぞれに負荷がかかる比率がちがってくるのである。筋肉と骨格の関係を把握する必要があるのはこのためである。以上、大沼きんでした!
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"鎖骨と三角筋の関係に注意せよ!" |
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次回は4月1日筋曜日「広背筋の謎」(予定)です。お楽しみに!
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