筋力トレーニング・筋肉トレーニング講座

なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その2

大腰筋 左の絵を見てほしい。大腰筋とは背骨の腰部と左右の大腿をつなぐまさに逆さV字型をした筋肉である。厳密に言うと、大腰筋と小腰筋を合わせて腰筋と呼び、小腰筋は腰部と骨盤をつなぎ、腸骨筋は骨盤と大腿をつなぐ。さらに腸骨筋と大腰筋・小腰筋を合わせて腸腰筋とも言う。これらはご覧の通り、大腿を持ち上げる役割をはたす。腹筋が腰に良くないと言われる場合があるのはこの大腰筋の使い方に原因がある。

たとえば下の絵を見てほしい。よく見かける「シットアップ」と呼ばれる腹筋運動である。上体と共に骨盤も持ち上がっている。このやり方だと、腹筋よりもむしろ大腰筋あるいは腸腰筋の収縮によって重い上体を持ち上げている状態である。

腹筋

これは足を伸ばして行っても同様である。足を動かないように固定すると大腰筋や腸腰筋に加え、大腿直筋(骨盤と膝をつないでいる)への負荷も高まる(腹筋の稼働率が落ちる)。これでは腹筋の強化にならないばかりか大腰筋にかなりの負担となり、これが腰痛を引き起こす原因となる可能性がある。そもそも大腰筋はこのように重い上半身を何度も持ち上げるための筋肉ではない。もっと大切な役割がある。それは前回紹介した「骨盤を前傾させる」働きである。

前回の姿勢の悪い状態というのは、この大腰筋が収縮力をなくし骨盤が後傾しすぎた状態である。大腰筋が収縮し脊柱起立筋と共同して働くことにより骨盤が適度に前傾し、正しい姿勢を保持することができる。アフリカ人の大腰筋は日本人の3倍ほどの太さがある。彼らはホンマかいなというぐらい骨盤が前傾し、日本人から見るとかえって腰に悪いんじゃないかと思えるくらいだが、実際腰痛に悩まされるのは我々日本人の方である。そしてその骨盤の前傾が大殿筋(大臀筋)を発達させ、高い運動能力を発揮させる。 姿勢 骨盤

ではどうしたら弱った大腰筋を復活させることができるのか。先にも言ったが大腰筋単独で働かすよりもやはり脊柱起立筋、さらには腹横筋・腹直筋・そして大殿筋(大臀筋)とも連動させたい。そんな都合のよい運動があるのか?それがあるのだ!一体何か?・・・・それは次回のお楽しみである。次回まで待ちきれない者は帰れ。忙しいんだワタクシも!さらに正確な腹筋のやり方も紹介する。

大沼きん "大腰筋、弱ってない?"

次回は12月31日筋曜日「なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その3」(予定)です。お楽しみに!

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第7回:広背筋の謎・ベントオーバーローとラットプルダウン
第6回:三角筋の謎・ショルダープレスとサイドレイズ
第5回:なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その3
第4回:なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その2
第3回:なぜいっしょうけんめい腹筋をやっても腰痛がなおらないのか?その1
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第1回:なぜベンチプレスや腕立て伏せで肩を痛めるのか?

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